投稿者:ヨッシー 投稿日:2016年12月 7日(水)09時39分58秒   通報
其の十九

城代「どうじゃ、不満分子どもの処分は、順調に進んでおるか?」

勃樹「はい、方面ごとに、その責任者に申し付けやらせております」

城代「して首尾はどうじゃ? 皆、厳しくやっておるか?」

勃樹「ここぞとばかりゴマを擦ろうと、熱心にやる者もあれば、このようなことが本当に殿のご指示かと疑いながらシブシブやっておる者もあるやに聞いております。中には、反論されたり、例の“律令方報告”を見せつけられて、逆に動揺している者もあるようです」

城代「ええい、もっと締め付けを強化せい! して城中のほうは?」

勃樹「はい、首切り上手で藩士管理奉行にまで出世した石島偽賂賃(いしじま・ぎろちん)どのが目を光らせておりますのでご安心を。中でも、梶岡新六郎(かじおか・しんろくろう)を切ったことがことのほか効いたようで、今は、ピタリと静かになっております」

城代「さようか。あの時は、梶岡の出た八王子学問所の関係者や、八百の守率いる学友会が騒ぐかと危惧したが、思いの外おとなしいものよのう。今後は、更に強気で行こうぞ」

勃樹「はは。まっ、そのうち、学友会もつぶして、いずれ全て我が赤門で固めて見せます」

城代「新藩律の方はどうじゃ? “藩創立の日”も近づいておる。今年は、必ず実行せねばならん」

勃樹「万事予定通りに。我が赤門の先輩、宮田新学堂(みやた・しんがくどう)が、いつもの通りヘラヘラしながらも、独自性を発揮した斬新な新藩律を作成いたしております。内藤新宿黄金町の菅野有中呑兵衛(かんの・あるちゅうのんべえ)の助けを借りながら・・・」

城代「それは安心した。ところで話は変わるが、そちの三七四九告訴はどうなっておるのじゃ」

勃樹「それが、どうも町奉行所の動きが悪くて、、、、、」

城代「実のところはどうなのじゃ? オヌシやったのじゃろ?」

勃樹「な、なにを突然・・・・」

城代「ええい、ここだけの話じゃ! ありていに申せ。恥ずかしがることはない。誰にもいわぬわ」

勃樹「な、なにを申される。ご、ご城代こそ、本当は何号さんまで、、、、、、」

城代「・・・・・」

勃樹「・・・・・」

城代「ご苦労であった」

勃樹「御免」

(つづく)

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