投稿者:無冠 投稿日:2016年 9月22日(木)00時28分6秒   通報

全集未収録のスピーチ144編の各抜粋(聖教新聞 2006.5~2010.4)を掲示します。

2009-1-27 【全国代表幹部協議会】

■ 一、楽になって聞いていただきたい。懇談的にお話ししたい。
 皆、使命ある大事な体だ。どうか風邪などひかれませんように。
 きょうは、全国代表幹部協議会の開催、おめでとう!(大拍手)
 諸君の団結の力で、創価学会は、未曾有の発展を成し遂げた。
 思えば、戸田先生が亡くなられた時、世間では「学会は空中分解する」などと言われていた。日本中が嘲笑うかのようだった。悪意をもった人間は”これで学会はなくなる”と高をくくっていた。
 今や、学会を迫害した者たちは、見る影もない。
 一方、学会は日本一の民衆運動となった。いな、世界的な平和・文化・教育運動を悠々と広げている。
 これもすべて、全同志の奮闘のおかげである。
 本当にありがとう!(大拍手)
 広布を進める皆様の大功徳は、末法万年尽未来際まで、一家一族に伝わっていく。
 これが仏の御約束である。仏の言葉に嘘はない。
 仏法は厳然たる因果の理法である。
 その反対に、悪事を働き、広布の和合を破り、尊き同志を苦しめる人間は、絶対に大罰を受ける。永遠に地獄の業火に焼かれるような厳しき報いがある。
 功徳も罰も、「絶対に」あらわれる。これが仏法の力である。
 仏法は、感傷論でもなければ、単なる理論でもない。そんな底の浅いものではない。
 仏法の因果律が、どれはど厳しいか。
 このことを私は、戸田先生から、繰り返し教えられた。
 戦時中、命がけで正義を叫ばれた牧口先生と戸田先生は、軍部に投獄された。
 その時、牧口先生、戸田先生を迫害した人間、弾圧した人間が、いかに峻烈な報いを受けたか。私は克明に知っている。
 御本尊には「若悩乱者頭破七分(若し悩乱せん者は頭七分に破れん)」「有供養者福過十号(供養する有らん者は福十号に過ぐ)」とお認めである。
 この絶対の法則の上から、私は確信をもって妙法を弘めている。
 皆さんも頼むよ!

■ 一、ここで、代表の皆様に指針を贈りたい。
 〈壮年部へ〉
 勝って勝って  勝ちまくれ! そして 歴史に残る 人物たれ!
 君は 大創価の柱だ! 厳然と  勝ち戦の  原動力たれ!

 責任ある壮年のリーダーは、「三障四魔」「三類の強敵」を打ち破り、広布の黄金桂として勝ちまくってもらいたい。見栄や気取りがあれば、いかなる戦いも、勝てない。
 真面目に、誠実に戦ってこそ、誉れの名が残る。大勝利の功績は、満天の星のごとく、永遠に輝きわたるのだ。

〈婦人部へ〉
 創価の母の祈りに  勝るものなし 師弟の城を  勝ち護れ!
 全学会の  勝利の太陽たれ! 創価の永遠の都を  朗らかに  創りゆけ!
 世界一の  美しき団結を! 同志仲良く 正義の光の道を 勝利勝利で!

 〈青年部へ〉
 師弟の心を胸に 正義の心を胸に 永遠の勝利のために
 自らも戦い 後輩を育て上げよ!

 〈男子部へ〉
 師子となりて走れ! 師子となりて叫べ!
 師子とは 師を護り抜く弟子だ 勇敢に  勝ち続ける弟子だ

 〈女子部へ〉
 師とともに  太陽の心を!  蓮華の生命を!
 華陽会のスクラムは  世界一の   幸の花園なり!

 〈学生部へ〉
 先駆また先駆  前進また前進 創価の舎利弗たれ!
 時代を動かせ!  歴史を勝ち開け!

 〈女子学生部へ〉
 妙法の福智光る 社会貢献の  賢女たれ!
 師弟勝利の青春を 美しく 大空高く  舞いゆけ!

 〈創価班へ〉
 君よ! 大創価の英雄たれ!
 師弟完勝の金字塔を 勇猛に打ち立てよ!

 〈牙城会へ〉
 君自身が  最強無敵の  牙城となれ!
 不惜の心で 師弟厳護の  誉れの歴史を!

 〈白蓮グループヘ〉
 白蓮の華は  貴女の生命に  咲き誇る
 「如蓮華在水」の  法理に生きゆく  幸福勝利の 青春たれ!

 〈創価教育の友へ〉
 創価教育の  英知の柱よ! 世界に  力ある人材を  飛ばしゆけ!
 創価とは  絶対に勝利   ということだ 英知で勝て  実力で光れ!
 父母のために 民衆のために 建学の  理想のために!

 〈関西青年部へ〉
 大関西は 永遠に常勝であれ! そこに  師弟の血脈がある
?
 〈北海道青年部へ)
 北海道よ! 三代の魂を  万年に   護り伝えゆけ!
 それは  正義が全てを   勝ち抜くことだ

 〈中部青年部へ〉
 大中部の誇りは 破邪顕正の勝利なり 創価の巌窟王よ
 邪悪を倒せ!  痛烈に勝ち光れ!

 〈九州青年部へ〉
 大九州が勝てば  全世界が勝つ!
 ゆえに君よ
 必勝の炎を 明々と燃やしゆけ!

 ともあれ、若い人の時代である。世界も、そうだ。アメリカのオバマ新大統領は四十七歳である。
 青年の指導者が、躍り出る時だ。社会は大きく変化している。
 学会も、青年がさらに力を発揮していくことだ。もちろん、年配者の存在は大事であるが、新しい世代が深き責任を自覚し、時代を先取りしていかなければ、手遅れになってしまう。
 新世代の信心の戦いいかんによって、未来の勝利は決まるのだ。

■ 〈またオオシダ(アルゼンチン)名誉理事長は報告の中で次のように述べている。
 ──日蓮大聖人は、
「日蓮末法に出でずば仏は大妄語の人」(御書1190ページ)と仰せです。池田先生は、大聖人の御予言を実語になされ、世界192カ国・地域に正しく流布してくださいました。
 創価の三代会長があってこそ、大聖人の仏法は初めて世界に流布されました。そうでなければ、偉大な生命哲学は、今までと同じく日本に眠っていたことでしょう──〉
 この報告を拝見し、私は、本当にうれしかった。私と同じ思いに立ち、岩盤に爪を立てる思いで道を開いてくださった導き同志が、世界には数多くいる。
 ともあれ私は、大聖人の御遺命を現実のものとするため、目に見えないところで、いくつも手を打ってきた。妻に託して、友へ励ましを贈ったことも、たびたびであった。
 戸田先生に教えられた通りに、あの地にも、この大陸にも、妙法流布の種を蒔いてきた。
 それが、すべて芽をふいて、大木へと育った。今、世界広布の土台は完壁にできあがったのである(大拍手)。

● SGIの奇跡的な発展に賞讃
 一、現在、私が対談を行っているアメリカ実践哲学協会のマリノフ会長が、1・26「SGIの日」に当たり、次のような祝福の声を寄せてくださった。
 「多くの世界宗教が世界に広がるには、少なくとも100年の歳月を要しました。
 SGIが30年余で190カ国以上に運動を広げたのは、素晴らしい成功といえるでしょう」
 「(木が成長し、実を結ぶまでに長い年月が必要なように)因をつくり、結果を得るには長い時間を要します。
 しかし法華経や創価の思想に従い、正しく実践すれば、因から果までの時間を短縮することができる。
 宇宙のリズムに合致すれば時間が短縮できると、私は理解しております」
 そして博士は、その証左こそ、SGIの奇跡的な発展だと讃えてくださっているのである。
 真の知性の眼は鋭い。妙法こそ、生命と宇宙を貫く大法則にほかならない。
 〈またマリノフ博士は、SGIの発展について、「それはひとえに、師匠の思想を世界に伝えようとするSGI会長の力の賜です」と述べている)
 今、SGIの世界的な発展に、世界の識者が刮目し、賞讃を寄せてくださっている。
 我らは、深き誇りを胸に、この「平和と幸福の大道」を歩み抜いまいりたい(大拍手)。

● 人生を決めた恩師の言葉
 「戦後の経済の混乱期、恩師・戸田先生の事業は、深刻な事態に陥っていた。
 先生は熟慮の末、学会の理事長を辞任することを決断された。
 ─先生が理事長をお辞めになれば、新しい理事長が私の師匠になるのだろうか─
 戸田先生は、「それはちがう」と言下に否定され、「苦労ばかりかけるけれど、君の師匠は私だよ」と、おっしゃってくださった。
 私は、うれしかった。このとき、心に誓った。
 必ず戸田先生に学会の会長になっていただくのだ。そして一生涯、戸田先生のために戦い抜こう、と。
 先生は涙ぐんでおられた。
 その時の表情、その時の光景など、すべてを克明に記憶している。
 十九歳で先生に見いだしていただいた私は、ここから、一段と高く勇気の帆を上げて、弟子の戦いを開始した。
 誰もが見限って、誹謗し、離れていくなか、ただ一人、先生を護り抜いた。
 事業の再建のため、朝から夜中まで駆けずり回って、活路を開いていった。
 こうした苦闘の歴史を経て、広宣流布を成しゆく、学会の発展の基盤がつくられてきたのである。
 戦時中、牧口先生と戸田先生は、正義の信念を貫いて、二人して牢獄に入られた。
 本当に正しいのは、牧口先生であり、戸田先生である。
 このお二人の精神を毛筋ほども違えることなく受け継いだのが、第3代の私である。
 この「三代の師弟」の闘争こそが、学会の正統中の正統の歴史である。
 この不屈の師弟の魂を、若き皆さんに受け継いでいただきたいのだ。

● 目覚めた弟子が
 一、世界的な国際法学者で、米・デンバー大学副学長のナンダ博士も先日、1・26「SGIの日」を祝福する声を寄せてくださった。
 そのなかで、博士は、今日のSGIの大発展の理由として、創価の師弟に注目され、こう述べておられる。
 「師弟の関係ほど、人々の心に深い共鳴と啓発を与えるものはありません。
 真の師弟の関係は、自分が何をすべきかを、弟子に目覚めさせるものです。
 そして、弟子に真に求められるものは、師匠の教えの実現であり、実証です」
 師によって目覚めた弟子が、師の教えを実現していくのだ。
 それでこそ、真の弟子である。
 〈ナンダ博士はこうも述べている。
 「今日のSGIの偉大な発展は、ひとえに、池田会長の蒔かれた、平和の種、慈愛の種が、人々の胸に深く響いてきたからです。会長の持つ人格の力、思想の力、対話の力が人々の胸奥に啓発を与えてきたのです」「私にとっても、池田会長は、かけがえのない師匠です。ゆえに私は、会長にお会いした際、弟子としての最高の敬意を表したのです」〉

■ 無冠の友に感謝
 一、さて連日、寒い日が続いている。
 大雪と格闘する地域もある。
 厳寒の中、毎朝、聖教新聞を配ってくださっている「無冠の友」の皆様に、私は心から健康であれ、無事安穏であれと祈らずにはいられない。
 本当にありがとうございます。ご苦労さまです(大拍手)。
 聖教新聞の発刊も、戸田先生との師弟の対話から生まれた。
 昭和25年(1950年)の十二月。先生が一番の苦境の時──。
 お金がなく、新橋駅近くの小さな食堂で食事をしながら、先生は、壮大な構想を語られた。
 「新聞をつくろう。機関紙をつくろうよ。これからは言論の時代だ。断じて、言論戦で広宣流布を切り開いていこう」と。

 年が明け、先生は「いよいよ新聞を出そう。私が社長で、君は副社長になれ。勇ましくやろうじゃないか」と陣頭指揮を執られた。 そして、昭和26年の4月20日、聖教新聞は創刊された。
 聖教の発刊後、先生は言われた。
 「私は思い立ったことは、必ず実行する。聖教新聞の発刊も実現した」「聖教新聞で邪悪と戦うのだ!」
 この先生の破邪顕正の精神こそ聖教の根本であらねばならない。

● 嫉妬の人間に騙されるな!
 一、ゲーテは、こうも喝破した。
 「すぐれた人格を感じとり、尊敬するためには自分自身もまた、ひとかどの者でなければいけない。
 エウリピデス(古代ギリシャの詩人=編集部注)の崇高さを否定した連中は、すべて頭のからっぼなあわれな者だ」(同)
 偉大なものをバカにするのは、自分が愚かな証拠であると言うのである。
 イギリスの著名な哲学者ラッセルは、「ねたみ」について、「大勢の人にとって不仕合わせの恐るべき元です」(東宮隆訳『ラッセルは語る』みすず書房)と指摘したが、その通りであろう。
 戸田先生は、厳しく言われた。
 「提婆達多は、師匠である釈尊を蔑如して、生きながらにして、無間地獄に堕ちた男だ」
 「男の嫉妬の代表が提婆達多なのだ」
 「妬み」は、人の心を狂わせる。「破壊」の心を生む。
 他者の心も破壊し、自分自身も破壊してしまう。恐ろしい感情である。
 嫉妬に狂った提婆達多は、大恩ある師匠の釈尊を妬み、その殺害まで企んだ。
 そして、釈尊と弟子の間を切り裂いて、教団を分裂させていった。
 これが、仏法破壊の一つの方程式である。
 こうした提婆達多のごとき嫉妬の輩、忘恩の輩、畜生の輩が出たならば、絶対にだまされてはいけない。
 臆病になって、付き従ってはならない。皆、賢明にならなければならない。
 鋭き信心の眼で、魔を魔と見破り、断固と責め抜いていくのだ。
 将来のために、強く申し上げておきたい。

● 正邪は必ず明らかになる
 一、大聖人はこう仰せである。
 「法華経の敵となった人を罰して、皆、人の見せしめにするようにと、梵天、帝釈、日月、四天に申しつけてある。日蓮が法華経の行者であるか否かは、これをもってご覧なさい」(御書1138ページ、通解)
 仏の敵は一人も許さない。邪悪を厳然と打ち破る。
 それが真実の仏法者の証しなのだ。
 この御本仏の大確信を胸に抱き、来る日も来る日も、ただひたぶるに「正義の勝利」を祈り抜いてくださっているのは、一体、誰なのか。
 健気な心で黙々と広布に戦う全国の学会員の皆様である。
 なかんずく、創価の母の婦人部の皆様方である。
 信心強き皆様を、諸天善神が守りに護る。
 役職とか立場ではない。
 心で決まる。「心こそ大切」である。
 執念の祈りで勝つのだ。仏法の因果は峻厳である。正邪は必ず明らかになる。
 どこまでも、私たちは、大聖人の弟子の道を貫いてまいりたい。
そしてまた、戸田先生と一緒に、私と一緒に、真実の同志として進んでまいりたい。
 この道は絶対に間違いない。この道を進んできたから、学会は強かった。だから発展したのだ。
 どうか、皆さんの手で、一段と、いい学会をつくっていただきたい。
 さらに素晴らしい創価城を築き、護り抜いていただきたいのである(大拍手)。

■ 一、戸田先生は、「どんなことがあっても、ぼくは牧口先生の弟子なんだ。先生のお考え通りに戦う以外、ないのだ」とおっしゃっていた。
 「牧口先生は、こうおっしゃっていたよ」「牧口先生は、こう考えておられたよ」と語られるのが、常であった。
 心の根底が、本当に師匠と一致しているかどうか。それが大事だ。
 私は、戸田先生の指導を、ことごとく記し残してきた。妻とともに、先生を支え、先生にご奉公申し上げた青春であった。
 現在の学会の発展を、先生は必ずや喜んでおられるであろう。
 さらに恩師の指導を紹介したい。
 戸田先生は、「深き団結があれば、この世で恐れるものは何もありません。『異体同心なれば万事を成ず』だ」「私をはじめ全員が、大聖人の御聖訓のままに進む。これが学会精神である」と語られた。
 インド独立の父マハトマ・ガンジーも、「組織は上から下まで一つのものでなければならない」(ネール著、松本愼一訳『印度の統一』育生社弘道閣)と訴えている。戦いは「異体同心」で勝つ──これは未来にわたって普遍的な法則であるといえよう。
 また、先生は確信をもって言われた。
 「時代は、大きく変わった。しかし、時代の問題ではない。所詮は、人間である。広宣流布は、『死身弘法』の信心の人が進めるのだよ」
 その通りだ。創価のリーダーから、新しい哲学の潮流を起こしていくのだ。そうでなければ、広宣流布は進まない。
 要となるべき人間が意気地なしであってはならない。
 先生は「荒波を乗り越えていく、力強い指針が必要である。福運を積んでいく、力ある宗教が必要である。だれもが、それを望んでいるのだ。それが日蓮大聖人の仏法なのだ」とも語られた。
 リーダーが先頭に立って、いかなる大波も乗り切らなければならない。

● 心して強盛な信心に立て!
 一、現実の社会は厳しい。しかし、その中で勝ち抜いてこそ、新しい道は開かれる。
 戸田先生は言われていた。
 「今は、日本の国始まって以来の乱世といってもよい。
 心して、強盛な信心に立て! 時代の波に、絶対に足をすくわれるな!」
 信心こそ、乱世を勝ち抜く力である。
 混迷の時代ほど、ますます信心根本に、地に足をつけて前進しよう! いいね!〈「ハイ!」と力強い返事が〉
 世の中には、卑劣な人間がいる。狡猾な人間もいる。恩を仇で返す人間すらいる。
 悪は結託する。巧妙に陰で動き回る。
 そうした悪人に誑かされてはならない。本質をはっきり見抜かなければならない。
 戸田先生の人生も、悪意の勢力との闘争であった。絶体絶命の時さえあった。それでも先生は、厳として言われた。
 「この身を広宣流布の大願のために叩きつけるという、私の覚悟は、今も、これからも、微動だにしない!」
 すごい言葉である。
 何のための人生か。その原点を忘れない人は強い。揺るがない。屈しない。
 「『周りから、何だかんだと悪口されるのは嫌だ』などと思えば、戦いは負けである。戦わずして、臆病という、心中の賊に敗れているのだ」
 これも、先生の非常に深い哲学である。とくに、幹部が心すべき急所といえよう。

● 不惜身命の魂
 一、日蓮大聖人は、「不惜身命」の精神を門下に教えられた。
 指導者に、その深き精神がなければ、魔に信心を食い破られてしまう。魔の跳梁を許せば、どれほど多くの純真な友が苦しむか。
 広宣流布の指導者の責務は重大である。
 惰弱になるな!
 増上慢になるな!
 愚かな虚栄に惑わされるな!
 これが、仏法の厳しき戒めである。
 日蓮大聖人は仰せである。
 「第六天の魔王が、私の身に入ろうとしても、かねての用心が深いので身に寄せつけない。ゆえに、天魔は力及ばずに、王や臣下をはじめとして良観などの愚かな法師たちに取りついて、日蓮を怨むのである」(御書1340ページ、通解)
 ここに、迫害の構図がある。
 魔は権力者たちに「悪鬼入其身」する。
 同志の絆を断ち、和合を破ろうとする。
 魔を打ち砕くには、信心で立つのだ。敢然と、師弟不二の心で立つしかない。
 この一点を、後継の青年部は、よくよく、わが生命に刻みつけてもらいたいのだ。
 難の時こそ、師が開いた道を、師の教え通りに、「先生! 先生!」と胸中で叫びながら進む。そうやって私は、あらゆる障魔を勝ち越えてきたのである。

● 不惜身命の魂
 一、日蓮大聖人は、「不惜身命」の精神を門下に教えられた。
 指導者に、その深き精神がなければ、魔に信心を食い破られてしまう。魔の跳梁を許せば、どれほど多くの純真な友が苦しむか。
 広宣流布の指導者の責務は重大である。
 惰弱になるな!
 増上慢になるな!
 愚かな虚栄に惑わされるな!
 これが、仏法の厳しき戒めである。
 日蓮大聖人は仰せである。
 「第六天の魔王が、私の身に入ろうとしても、かねての用心が深いので身に寄せつけない。ゆえに、天魔は力及ばずに、王や臣下をはじめとして良観などの愚かな法師たちに取りついて、日蓮を怨むのである」(御書1340ページ、通解)
 ここに、迫害の構図がある。
 魔は権力者たちに「悪鬼入其身」する。
 同志の絆を断ち、和合を破ろうとする。
 魔を打ち砕くには、信心で立つのだ。敢然と、師弟不二の心で立つしかない。
 この一点を、後継の青年部は、よくよく、わが生命に刻みつけてもらいたいのだ。
 難の時こそ、師が開いた道を、師の教え通りに、「先生! 先生!」と胸中で叫びながら進む。そうやって私は、あらゆる障魔を勝ち越えてきたのである。

● 電光石火で勝て
 一、栄光の学会創立80周年の峰は、間近に見える。「青年・勝利の年」を晴れやかに飾りゆくために、最後にもう一度、戸田先生の指導を拝したい。
 先生は、戦いに臨んで、ぼやぼやしている人間には、こう叱咤された。
 「時間を浪費するな! 勝つために、今一番大事なことは何か。それを見極め、最優先せよ!」
 電光石火のスピードで勝つのだ。
 勝利から逆算する──かけがえのない今この時に、何をすれば一番、価値的か。それを明確にして、「黄金の自分史」を綴り残していただきたい。
 先生は鋭く言い放たれた。
 「いかなる組織も、内輪もめをするたびに弱くなり滅びていく。ゆえに、団結こそ根本なのだ!」
 師弟不二の歯車に、わが心のギアを、がっちりと、かみ合わせ、皆が力を合わせてこそ、勝利は輝く。
 心一つに進むのだ。
 あの剛毅な、師子のごとき戸田先生が、晩年、私に、しみじみと語ってくださった。
 「おまえを弟子にして、おれは本当に幸せだった」と。
 あの一言は、忘れることができない。これ以上の誉れはない。
 先生は、時を同じくして集い合った広布のリーダーたちに、こう呼びかけられた。
 「私は、広宣流布のために、一身を御本尊に捧げる決意をしている。同じ決意を分かとうという人は、どこまでもついてきなさい。
 その決意のもとに、大いに戦おうではないか!」
 師と同じ心で、不惜身命で勝ち進んだからこそ、192カ国・地域に広がる、今日の世界的な学会がある。
 今再びの前進を、よろしくお願いします!
 私は、全同志のご健闘、ご健康、無事故、そして勝利を、毎日、夫婦で祈っています。第3代会長になった時から、ずっと祈り続けています。
 長時間、ご苦労さま! ありがとう!
 〈ここで、名誉会長は、戸田先生が大好きだった父子の決意の曲“大楠公”をピアノで力強く演奏した〉
 この1年も、一緒に進もう!
 皆に勇気と希望を贈る、勝利の名指揮を頼みます!(大拍手)