投稿者:信濃町の人びと 投稿日:2016年 9月15日(木)17時35分54秒   通報
池田大作全集100巻
神奈川・静岡合同協議会 (2006年1月12日)

■荒海を越えて四国の友も来た

今年は、「聖教新聞」の創刊五十五周年にあたっている。
神奈川・静岡の同志も、また四国の同志も、いつも「聖教新聞」の拡大に健闘してくださっており、感謝に堪えない。

つい先日の「聖教新聞」の「声」の欄に、あまりにも懐かしく、あまりにもうれしい思い出がつづられていた。それは、昭和五十五年一月十四日、四国の約千人の同志が、あの「さんふらわあ7」号で、冬の荒海を越え、ここ神奈川文化会館に来てくださった歴史である。

あれから満二十六年。四国の友は、あの日あの時を原点として、人生の試練を乗り越え、師弟の誓いを原動力に、広宣流布の拡大を成し遂げてこられた。そのことが、感動的に記されていた。この「声」を読まれた方々からも、早速、多くの反響が寄せられている。

あの年は、私の会長辞任の翌年であった。一月十三日の午後一時すぎ、神奈川文化会館で執務する私のもとに、第一報が入った。香川、高知、愛媛、徳島の四国全県から、勇んで集った約千人の同志が、高松港を出航したとの知らせである。目指すは、ここ神奈川文化会館の眼前に広がる横浜港。船は、白亜の客船「さんふらわあ7」号である。

私は、航海の無事安全を、妻とともに真剣に祈った。一人も船酔いすることなく、元気で到着されるようにと、題目を送り続けた。出発したその日、横浜は(雪の舞う寒い日であった。東海上には低気圧があり、海上は荒れることが予想された。学会本部からは「念のため中止にしてはどうか」という連絡も入ったという。しかし、もう出航直前だった。合図のドラが鳴っていた。″出航したあとは、すべて船長の判断に任す″と決め、旅が始まったのである。

■異体同心の団結――″船上幹部会″

″船上幹部会″では、意気軒高に語り合われていた。
――本来ならば、池田先生に指揮を執っていただいて、本年の学会創立五十周年を盛大に祝賀すべきである。牧口先生、戸田先生、そして池田先生という三代の会長が築いてくださった創価学会ではないか。しかし、今、先生に、自由に動いていただくことはできない。四国にお迎えすることもできない。それならば、私たち四国が、全国に先駆けて、先生のもとへはせ参じて、創立五十周年のお祝いを申し上げようではないか。先生がおられるところが、広宣流布の本陣だ。最前線であるのだ――と。

のちに、手書きで書き留められた、その船内の克明な記録を、私は拝見し、心で泣いた。
船には、ドクター部や白樺(女性看護者のメンバー)の方々も、勇んで同行され、同志の健康を見守ってくださっていた。創価班や白蓮グループをはじめ、志願の男女青年部の、はつらつたる献身も光っていた。

船内で皆が楽しく過ごせるようにと、私は、寅さんの映画(「男はつらいよ」)の手配も、事前に、そっと、お願いしておいた。
ありがたいことに、波涛会(海外航路に従事する壮年・男子部のグループ)の方々も、太平洋岸の要所要所の岬に待機して、変化の激しい波の様子を、逐次、報告する態勢まで取ってくださっていた。四国で留守を守ってくださる同志たちも、皆、たえまなく唱題を続け、無事故・大成功を祈っておられた。そこには、どんなに嫉妬に狂った坊主らが壊そうとしても、絶対に壊せない「異体同心」の金剛の団結が輝いていたのである。

波涛を越えて、四国の友が、横浜港の大桟橋に到着したのは、翌一月十四日の午後一時前であった。前日とうってかわって、この日は穏やかな陽気となった。

大聖人は、「当に起って遠く迎うべきこと、当に仏を敬うが如くすべし」(法華経六七七ページ)という法華経の一文を「最上第一の相伝」とまで仰せであられる。私は大桟橋に立って、花束を抱えて、遠来の同志をお迎えした。

■誇り高く、偉大な同志よ!

この私と同じ心で神奈川県中から集まり、真心の歓迎をしてくださった友の顔も、私は今もって忘れることができない。わが音楽隊も、勇壮な学会歌の演奏で盛大に出迎えてくれた。

そのあと、午後一時半から、四国・神奈川交流幹部会が、神奈川文化会館で劇的に開かれた。
はるばると勇み来った四国の同志も、誇り高く偉大であった。その同志を勇み迎えた神奈川の同志も、また誇り高く偉大であった。

私は、ピアノで″大楠公″や「熱原の三烈士」など数曲を奏で、贈らせていただいた。
心と心の交流が、幾重にも深く、また強く結ぼれた。凝結した黄金の時が流れた。そして、その日の午後七時、四国の同志は、横浜港を出航して、帰途につかれたのである。

私は、船が見えなくなるまで、神奈川文化会館の窓から、妻とともに懐中電灯を振り続けて、お見送りした。深夜十一時半ごろと翌朝の九時、私は、船に直接、電話を入れて様子をうかがった。来られなかった方々への伝言も託した。

船がついてからも、高知県の方々など、自宅へ戻るまで、さらに長い道のりが続く。妻も、皆さまが全員、無事に帰宅されるまではと、祈り続けていた。

なお、この時の船長が語ったというお話も、のちにうかがった。
「初めて、創価学会の方を乗せました。なんというか、言葉では言い表せませんが、本当にさわやかな気分です。この人たちを、一人も船酔いさせてはいけないと思い、慎重に舵をとりました」

当時の宗門に遠慮した「聖教新聞」の紙面では、「交流幹部会」自体は報じられているものの、四国の同志と私との出会いのことは、一行も記されていない。しかし、誰人も冒すことのできない、いな永遠に冒すことのできない、荘厳な師弟の劇が厳然と刻まれていたのである。

その後、五月にも、徳島の約千人の同志、そして愛媛の約千人の同志が、それぞれ船で、神奈川までお越しくださった。二回とも、私は心から歓迎させていただき、忘れ得ぬ歴史となった。

のちに、私はとの方々を、「三千太平洋グループ」と命名させていただいた。

学会が一番、大変なときに、私とともに、一番、深く、一番、尊い歴史をつくってくださったのは、四国の友であった。そしてまた、東海道の皆さまであった。

■困難な時こそ本物が光る

アメリカの鉄鋼王カーネギーの言葉に、「危機に当たって、人間の真価が試される」(『鉄鋼王カーネギー自伝』坂西志保訳、角川文庫)とある。困難な時こそ、本物が光る。

古代ローマの詩人ルクレーティウスは言った。
「人を見るのには、危機に陥った際に限る、逆境にあってその人物如何を見るに限る。即ち、かような時にこそ始めて真実の声が心の底から出るものであり、又仮面ははがれ、真価のみが残るからである」(『物の本質について』樋口勝彦訳、岩波文庫)

そのとおりである。有名な『プルターク英雄伝』こう記されている。
「真に高貴健剛な精神は、厄難に処し逆境に
沈淪(ちんりん)する日において、真骨頭を発揮するものである」(鶴見祐輔訳、潮出版社)

難よ、来るなら来い!――これが学会精神である。御聖訓に「大難来りなば強盛の信心
弥弥(いよいよ)悦びをなすべし」と仰せのとおりである。

あの日あの時の偉がな四国の同志は、私の胸の奥底に、永遠に刻まれて離れない。最も困難な時に、勇んで立ち上がり、戦ってくださった人を、私は断じて忘れない。

あの日あの時の尊き皆さま方が、今、四国広宣流布の中核を担い立って、指揮を執っておられる。その英姿を私は、何よりもうれしくうかがっている。また亡くなられた方々にも、私は毎日、追善回向の題目を送っている。

後継の、お子さん方や後輩たちも、「さんふらわあ7」号の師弟旅の先駆者を、最大に尊敬し、感謝し、誉れとして、そのあとに続いておられる。広宣流布の″師弟の航路″を貫き通した人は、永遠に誇り高く、自分自身が光り輝いていくのである。

思えば、勇敢なる求道の信心を貫き通した在家の弟子を、日蓮大聖人は、「聖人」「上人」「賢人」など、最高の尊称で讃嘆されている。
ここ東海道ゆかりの女性門下(乙御前の母)には、「日妙聖人」と認めておられる。

のちに大聖人は、遠路をいとわず、妙法を求めぬいた、この女性門下に、こう仰せである。

「日蓮が鎌倉にいた時には、念仏者らはさておいて、法華経を信じる人々でも、本当に信心がある人なのか、ない人なのか、分かりませんでしたが、幕府からとがめを受けて佐渡の島まで流されてみると、訪れる人もありませんでした。そのなかで、あなたは女性の身でありながら、さまざまな御志の品を届けられたうえ、ご自身が訪ねてこられたことは、現実のこととも思えず、考えることもできないことです」(御書一二二〇ページ、通解)

「道のり」が遠く険しい。だからこそ、その人の信心の志が分かる。いざという時こそ、まことの信心があらわれるのである。さらに大聖人は仰せである。

「今、あなたは法華経を知り、慕われていますから、必ず仏になられる女性です」(御書一二二二ページ、通解)

「日蓮が流されたのは、わけあってのことですが、(女性の身で、これまで足を運んでくださったあなたの姿にふれると、私が流されたのは)″あなたの厚い御志があらわれるためであったのか″と、ただありがたく思うばかりです」(同ページ、通解)

このように、真剣な弟子の求道の姿を最大に賞讃されているのである。

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「会長辞任~サンフラワー号~紅の歌」の歴史こそ師匠を求め抜いた民衆勝利の歴史!

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