投稿者:赤胴鈴之助 投稿日:2016年 7月31日(日)02時18分32秒
しじょうきんごごしょ  くしいちごんのこと
しっぴつ こうあんがんねん けんじしょうがつ。
p1175
たかとりのたけ、みのぶのたけ、なないたがれのたけ、いいだにともうし、きのもと、かやのね、いわのうえ、つちのうえ、いかにたづねそうらへども、をひてそうらう、ところなし、されば、うみにあらざれば、わかめなし、やまにあらざれば、くさびらなし、ほけきょうにあらざれば ほとけになるみちなかりけるか、これは、さてをきそうらいぬ。なによりも うけたまわりて、すずしくそうらうことは、いくばくの おんにくまれのひとの、ごしゅっしに ひとかずに、めし、ぐせられさせたまいて、いちにち、ふつかならず おひまもなきよし、うれしさもうすばかりなし、えもんのたいうの をやにたちあひて、かみのごいちごんにて かへりてゆりたると とののすねんがあいだの にくまれ、こぞのふゆは かうとききしに、かへりて ひびのごしゅっしのおとも、いかなることぞ、ひとへに てんのおはからい ほけきょうのおちからにあらずや。
そのうえ えんきょうぼうのきたりてそうらいしが もうしそうらうは、えまのしろうどのの ごしゅっしにおともの、さふらい、そのなかに しゅはさてをきたてまつりぬ、ぬしのせいといひ、かをたましひ、むま げにんまでも なかつかさのさえもんのじやう だいいちなり、あはれをとこや、をとこやと、かまくらわらはべは 、つじちにて もうしあひてそうらいしと かたりそうらう。
これに、つけても あまりにあやしくそうらう、こうしは くしいちごん、しゅうこうたんは よくするときはさんどにぎり しょくするときはみたび はかせたもう、いにしえのけんじんなり いまのひとのかがみなり、されば このたびは ことにみをつつしませたもうべし、よるはいかなることありとも ひとりそとへいでさせたもうべからず、たとひかみのおめしありとも まづ げにんをこそへ、つかわして、なひなひ いちじょうを、ききさだめて、はらまきをきて、はちまきし、せんご、さゆうにひとをたてて しゅっしし おんもとのかたわらに、こころよせの、やかたか またわがやかたかに、ぬぎをきて、まいらせたもうべし、いえへ かへらんにはさきにひとをいれて とのわき はしのした むまやのしり、たかどの いっさいくらきところを、みせてはいるべし、 せうまうにはわがやよりも ひとのいえよりもあれ、たからを、をしみて あわててひをけすところへ、づつとよるべからず、ましてはしりでることなかれ。
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しゅっしより あるじのおともして おかへりのときは みかどより うまより、をりて、いとまの、さしあうよし、はうくわんにもうして、いそぎかへるべし、かみのををせなりとも、よにはいりて おともしてごしょに、ひさしかるべからず、かへらむには だいいち、こころにふかき、えうじんあるべし、ここをば、かならず、かたきの、うかがうところなり。
ひとのさけたばんともうすともあやしみて、あるひは げんをいだし、あるひはもちいることなかれ、またおん をととどもにはつねは ふびんのよしあるべし、つねにゆせにざうりのあたいなんど こころあるべし、もしやのことのあらむには、かたきはゆるさじ、わがために、いのちをうしなはんずるものぞかしと、をぼして、とがありとも、。せうせうのとがをば、しらぬやうにてあるべし。
またおんなるひは いかなるとがありともにいっこう ごけうくんまでも、あるべからず、まして いさかうことなかれ、ねはんぎょうにいわく「つみきわめて おもしといえどもにょにんにおよぼさず」とううんぬん、もんのこころは いかなるとがありとも おんなのとがを をこなはざれ、これけんじんなり これぶつでしなりと もうすもんなり。このもんはあじゃせおう、ちちをころすのみならず ははをあやまたむと、せしとき、ぎば、げっこうのりょうしんが いさめたるきょうもんなり。
わがはは こころぐるしくをもひて りんじゅうまでも こころにかけし、いもうとども なれば とがを、めんじて ふびんというならば ははのこころ やすみてこうようとなるべしと、ふかく をぼすべし。
たにんをも ふびんというぞかし、いわうや、をとをとどもをや、もしやのことのあるにはいっしょにて、いかにもなるべし、これらこそ とどまりゐて なげかんずれば、をもひでにと、ふかくをぼすべし、かやうもうすは たじはさてをきぬ、すごろくは ふたつあるいしは かけられず、とりのひとつのはねにてとぶことなし。
まさかど、さだたふがやうなりし、いふしやうも ひとりはかなわず、さればおとうとなどをこともろうどうとも、うちたのみて、をはせば、もしや ほけきょうも ひろまらせたまいて よにもあらせたまわば ひとかたのかたうどたるべし。
すでに、きやうのだいりいんの ごそ かまくらのごしょ、ならびに おんうしろみのごしょ、いちねんがうちに にど、しょうがつと じゅうにがつとに やけそうらいぬ、 p1177
これただごとにはあらず ほうぼうのしんごんしらを おんしとたのませたもううえ かれら ほけきょうをあだみそうらうゆへに てんのせめ ほけきょうじゅうらせつのおんいさめ あるなり、かへりて おおざんげあるならば、たすかるへんも、あらんずらん。 いたう、てんの、このくにを、をしませたまうゆへに だいなるおんいさめあるか、すでにたこくがこのくにをうちまきて こくしゅ、こくみんをうしなはんうえ ぶっしんのじしゃ、ひゃくせんまんが ほろびんずるをてんげんをもつて みくだして、なげかせたもうなり、またほけきょうの みなをいういうたるものどもの となうるを ひぼうしょうほうのものどもが、をどしそうらうを てんのにくませたもうゆえなり。
あなかしこ、あなかしこ、ことし、かしこくして ものをごらんぜよ、さんかい、くうし、まぬかるところあらば、ゆきて ことしはすぎぬべし、あしだせんにんが ほとけのうまれたまいしをみて、いのちを をしみしがごとし、をしみしがごとし、きょうきょうきんげん。
しょうがつにじゅうごにち    にちれん かおう
なかつかささえもんのじょうどの