投稿者:無冠 投稿日:2016年 9月 4日(日)15時46分52秒   通報
全集未収録のスピーチ144編の各抜粋(聖教新聞 2006.5~2010.4)を掲示します。

2008-3-16 【創価学園卒業式】

◆◆◆ リハーノフ総裁の授章の辞  ◆◆◆

尊敬する池田SGI会長!
尊敬する池田香峯子SGI会長夫人!
親愛なる生徒の皆さん!
ご列席の皆様!
2007年10月14日、モスクワで開かれた国際児童基金協会20周年記念の子どもを守るボランティア国際大会において、池田会長に「子ども守護の騎士」章を授与することが発表されました。外国人で初めての受章となります(大拍手)。
「子ども守護の騎士」とは、どのような章なのでしょうか。何よりも高潔、清廉、献身の人に贈られます。
騎士は、つねに武装しています。正義と栄光、善に仕えるためです。
「騎士」という言葉と「子ども」という言葉が章の名前になっているのは、子どもを守るという意味です。
不正や病気、災難から、何よりも戦争から、弱い立場の子どもたちを守るのです。
池田会長は、何十年も前から、こうした子どもの守り手であられます。
創価思想を一貫して説かれる会長は、自らの言葉で、そして行動で、弱者を守り、不幸な人を守っておられます。
そもそも、会長の最大の功績とは、年配の方も青年も子どもも、すべての人を守り抜いて、善と正義を打ち立て、世界的なハーモニー(調和)と深い人間性を広げるという使命に生きてこられたことだと思います。
どんな年齢の人でも、愛情や気遣い、応援等を必要としない、というような人はいません。
最も強く、健康で、すべてがうまくいっているような人でさえも、「自分の心を思いやってほしい」「心の奥に隠された悩みや苦しみをわかってはしい」と思っているものです。
弱い立場の人や病んでいる人、人生経験の未熟な人は、なおさらです。
どの人も尊敬されるべきであり、皆、「自分のことをわかってほしい」「悩みに寄り添ってほしい」「手を差しのべてほしい」と思っています。
もし、皆さんがすべて順調であるならば、”きっと、どこかで苦しんでいる人がいる、大変な人がいる”ということを思い起こし、忘れないでください。とくに、小さい子どもやお年寄りなら、すぐに助けてあげなければなりません。
ロシアの大文豪チェーホフは、良心について、素晴らしい言葉を残しています。
「幸福で満足しきった人間には、戸口の外に、だれかが立って、たえず扉を金槌で、こつこつと叩きながら、不幸な人々がいることを、つねに思い出させてあげないといけない……」
池田会長は、この金槌で人々に警鐘を鳴らす人だと私は思います。
ご自身の振る舞いや語らい、著作を通して、また幼稚園、小学・中学・高校、大学と創価の学舎を創立されたことで、若い人々を直に応援されているだけでなく、人間の誇りに目覚めさせ、心を高めてくださっています(大拍手)。
池田会長こそ、人間の良心を目覚めさせる人です。本当の守り手──すなわち、「子ども守護の騎士」なのです。
「池田会長に栄光あれ!」と申し上げ、私の授与の言葉とさせていただきます(大拍手)。

◆◆◆ 創立者のスピーチ ◆◆◆

堂々と王者の人生を生きよ!

青春の力は無限大!
一歩一歩目標に向かって進め
学び抜け! 学園魂を胸に

■ 一、東西ともに、見事な大晴天の卒業式になりました!(大拍手).
例年、学園の卒業式の日は、寒くなることが多かったのですが、きょうは、こんなに素晴らしい天気になりました。関係者の皆さん方の祈りに深く深く感謝します。
最高峰の創価学園を巣立ちゆく最優秀の皆さん、おめでとう! 本当におめでとう!(大拍手)

●同窓生が活躍!
一、最初に、きょう卒業する学園生の皆さん全員、父母の皆様全員のお名前を、アメリカ創価大学に永久に保管させていただくことを提案したい(賛同の大拍手)。
2001年に関学したアメリカ創価大学は、すでに各界の知性から「世界の名門校」「人類の希望の大学」等と絶讃されています。
本日は、学園出身のアメリカ創価大学の代表も、東西の母校に帰ってきてくれました。ありがとう!(大拍手)
東京校にも、関西校にも、社会で信頼を広げる多くの同窓生の方々が駆けつけてくださっています。各企業のトップからも、学園出身者の優れた人格と最優秀の才能が賞讃されています。
同窓生の皆さん、本当にご苦労さま!
皆さんの健康と活躍を、私は妻とともに一生懸命に祈っています(大拍手)。

一、ともあれ、晴れ晴れと、英才、秀才の卒業式、本当におめでとう!
教育界の方々も、創価学園を最大に讃えてくださっています。
大教育者であられた牧口先生も、戸田先生も、どんなにお喜びでありましょうか。直系の弟子として、私は感涙の思いです。本当にうれしい!
学園生の皆さんは、体を大切にして、大勝利者になっていただきたい。大成功者になってもらいたい。
大成功者といっても、なにも”大きな家”を建てることではない。どんな立派な家も、いつかは壊れる。
そうではなく、皆さんは、どこへ行っても信頼され、慕われ、尊敬される「人格の人」になっていただきたいのです。そういう、崩れざる内面の力をもった勝利者になることです。
そして、お父さん、お母さんから、「学園に学んでくれて本当に良かった」と喜んでいただける一人一人になってください。

●「どうだ!」と胸を張れる人に
一、皆さんは、健康で、偉くなって、お父さん、お母さんに、うんと親孝行してはしい。
そして「どうだ!」と胸を張れる、堂々たる王者のごとき勝利の人生を送っていただきたい。
〈「はい!」と勢いよく返事が〉
いい返事だね。親孝行を頼みます。
〈「はい!」と元気いっぱいの返事が〉
ご列席のお父さま、お母さま、ご安心ください。
学園生の皆さんが、「いい息子さんだ、いい娘さんだ」と言われれば、お父さん、お母さんも、うれしいし、誇り高い。
なかには、お父さん、お母さんがいない人もいるかもしれない。それでも、皆さんが大成長して「素晴らしいな!」と皆を感嘆させるくらい立派になっていくのです。
それが、ご一家の勝利です。皆さんの一番の勝利であり、幸福であり、満足につながっていく。
どんなに、バカにされようが、悪口されようが、学びに学び抜いて、最後は断じて勝っていくのです。
また、ひとたび、悪意の暴論を浴びせられるようなことがあれば、百倍、千倍にして返していく。そのくらいの迫力を、強き人格を、不屈の力をもっていただきたい。

● 自分で決まる
一、現実には、さまざまな悩みがある。思うようにいかないこともある。不満を抱える場合もあるでしょう。しかし、それで、めいってしまっては損である。
私が申し上げたいのは、すべては「自分自身で決まる」ということです。何事も「環境」が決めたり、「他人」が決めるのではない。文句を言っても仕方がない。
大事なことは、「全部よかった」「本当によかった」と自分で決めることだ。すべてに意味がある。
自分で「よかった」と決めた分、すべて、よくなっていく。すべて優等に輝いていくのです。

■  親孝行は、教育の一つの究極です。親孝行できる人は、将来、社会のため、人のために尽くしていける人になる。
反対に、自分の親も大切にできない人間は大事をなすことはできないのです。
お父さん、お母さんに対しては、「はい、わかりました」と快く返事をしてあげてほしいりそれが第一の親孝行です。
たとえ、成績がよくなくても、「次は一番をとります!」「次は頑張ります!」と気持ちよく返事をしていってください。そういう潔い決意が大事です。
皆さんも苦しいときもあるでしょうが、それでも、ニコニコと笑顔を忘れず、優しい言葉をかけてほしい。
もちろん、親子だから、多少の意見の対立や相違があって当たり前です。それが人間の実相です。
その上で、家族が集まれば、笑いがあり、涙があり、喜びがあり、悲しみがある。信頼し合う。愛し合う。それが家族です。
なにより、子どもたちが、お父さん、お母さんを、心から慈しみ、大切にする。その心が大事なのです。
そういう安心と信頼の家庭を皆さんが築いていってほしいのです。

● 障害と戦え!
一、ドイツの哲学者ショーペンハウアーは言いました。
「障害と戦い、これに打ち勝つことが人を幸せにする」(金森誠也訳『ショーベンハウアー全集11』白水社)
至言です。最初から何の苦労もしないで、お金もあって、とんとん拍子で偉くなって──そういうのは、真の幸福ではありません。時流に、うまく乗っているだけです。
それでは、人間としての鍛えがない。はかない、偽物の幸福です。
人生には、さまざまな障害がある。悪い人間もいる。それらと戦い、断固として勝ってこそ、本当の幸福は得られるのです。

■ 一、ドイツの大詩人ゲーテの言葉です。
「いつかは目標に達するというような歩き方ではだめだ、一歩一歩が目標になり、一歩一歩が価値のあるものにならなければならないのだ」(伊藤武雄訳「ゲーテとの対話抄(エッカーマン)」、『ゲーテ全集第11巻』所収、人文書院)
いっペんに偉くなろう。いっペんに人気者になろう。そういう態度ではいけない。
一日一日が大事なのです。一歩一歩、それが目標です。自分自身を完成させていく目標であり、勝利の目標、幸福の目標です。みんな、頑張ってね!(大拍手)

■ 一、インド独立の大指導者、マハトマ・ガンジーの言葉を紹介したい。
「宗教は人々を分断するものではなく、結びつけるものである」
人間を結びつける宗教がなければ、世界は平和になりません。宗教は、世界の平和にとって、最も重要なものです。
ガンジーは、こうも言っています。
「政治が宗教と切り離されているとは思えない。実際、私たちのあらゆる行動には、宗教が浸透しているべきなのだ」
人間の社会、そして世界の平和は、宗教抜きには考えられません。偏見や先入観で、宗教を遠ざけ、排除しようとするのは、世界の一流の視点からすれば、あまりに低次元である。
少々、難しいかもしれませんが、皆さんも深く思索してください。

● 屈しない勇気
一、かつて、ミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領夫妻を、関西創価学園にお迎えしたことがあります。〈1997年11月20日〉
ご夫妻は、関西学園を訪問し、大変に喜び、感動しておられました。
夫妻は、創価大学も訪問しています。さまざまな問題を語り合いましたが、創価教育への大きな共感を語っておられた。
ゴルバチョフ大統領は言いました。
「人間は、試練に立ち向かう強い心を、つねにもたねばならない」
「不幸、敗北に屈しない勇気と頑強さ、そして、困難のときこそ、自身を試すという決意なくして、本当の人生を生き抜くことは、難しい」
皆さんも、強い心で、断じて勝ってください!(大拍手)

● 断じて平和を!
一、ロシアの文豪ゴーゴリは、18歳の年に綴った。
「お母さんの喜び、お母さんの楽しみは、またわたしの幸福にほかなりません」(『ゴーゴリ全集7 書簡』青山太郎訳、河出書房新社)
わが卒業生の皆さんも、お母さんに心から喜んでもらえるような前進と勝利の人生を生きてほしい。皆で「お母さん、ありがとう!」と言おう!〈ここで卒業生たちが「お母さん、ありがとう!」と大きな声で御礼を〉

「お父さん、ありがとう!」も言おう!〈皆で「お父さん、ありがとう!」と御礼を。また創立者の提案で、全員で「お父さん、お母さんの万歳」を三唱した〉
そしてお母さん、お父さんに、最大の感謝を込めて、拍手を贈りましょう!(大拍手)
皆さんは、偉大なる学園で学び、卒業を勝ち取った。勝利した。
これからもすべてに勝利をしてほしい。お父さん、お母さんを世界一にしてみせる。絶対に、世界一の幸福のわが家にしてみせる──その決意を持ってもらいたい。

一、ただ今、尊敬してやまないリハーノフ先生から、私と妻は、何よりも意義深き栄誉を賜りました。厚く御礼を申し上げます(大拍手)。
私も、妻も、子どもの時に、あの残酷な、いやな、そして苦しい戦争を体験しました。
だからこそ、「世界中のどの子どもにも、二度とあんな苦しい、バカらしい、悲しい思いはさせたくない! 絶対に人類は平和であらねばならない!」と祈り、戦い続けてまいりました。
そして、牧口先生と戸田先生が掲げられた、「子どもの幸福」を眼目とする、創価教育の夢を実現するために戦ってきました。
多くの反対や妨害が渦巻く中、私は断固として中国とも、ロシアとも友好を結んできました。
日本はかつてロシアとも中国とも、戦争をした。多くの日本人はロシアと中国を敵視し、見下していました。
そうした中で、私は友好に尽くしてきました。
それも、わが学園生をはじめ、若き世代の平和の道を開くためです。

● 師子の心で!
一、この私の心を深く深く理解してくださっているのが、ここにお迎え申し上げたリハーノフ先生なのであります。
リハーノフ先生もまた、子どもたちの人権と尊厳を護り抜くために、どれほど多くの嫉妬や嘘の悪口を浴びせられてきたことか。
そのなかを厳然と戦い抜いて、そして、大勝利された鋼鉄の信念の指導者であられます。
リハーノフ先生が、お世話になった小学校の女性の先生を、最大に宣揚してこられたことも、まことに美しき逸話です。
リハーノフ先生は、恩を絶対に忘れない方です。だからこそ、ご自分の苦難の人生を振り返って、「特別に大事にして、良くしてあげた人間から、恩を仇で返されたことが、残念でならない」と、恩知らずへの怒りを語っておられるのです。
その心情が、私には痛いほどわかります。
世の中には、あまりにも忘恩の狡賢い大人が多すぎるからです。
嫉妬に狂って、大恩人を裏切る悪人もいる。
「ロシアの教育学の父」ウシンスキーが「栄誉のあるところには、いつもねたみもあらわれます」西郷竹彦訳『ウシンスキー教育学全集3 子どもの世界』明治図書出版)と鋭く喝破している通りです。(※3=ローマ数字)
私にとって信じられるのは、青年だけです。
牧口先生も、そうでした。戸田先生も、そうでした。
私は19歳で戸田先生と出会った。
“大人はずるい。裏切る。青年である大作を、次の後継者にするんだ”──先生は、そういう思いで一生懸命、私を育ててくださいました。
諸君しかない。私は毎日、真剣に祈っています。妻とともに。
青年よ、なにものにも負けない師子の心を持て!──こう申し上げたいのです。

● 世界一の栄誉
一、「卑劣なもの、醜悪なもの、低俗なものと戦ってこそ、人間は、より偉大になれる」
「卑しい嘘と徹して戦い、そして、断じて、勝利をもぎ取ることによって、真の人格が輝いていくのだ」
これはリハーノフ先生の言葉です。正しいです。
この正義の魂を、勇んで受け継ぎ、父子一体で歴史を刻んでこられたのが、モスクワ大学出身の優秀なジャーナリストである、ご子息なのであります(大拍手)。
ご子息の母校・モスクワ大学といえば、私が最初に名誉博士を拝受した大学であります。
このモスクワ大学を栄えある第1号として、私は学園の創立者として、「230」の名誉学術称号を、各国の著名な大学から、お受けしてまいりました。「世界一」の知性の栄誉です。
思えば戦争中、わが家は4人の兄を兵隊に取られた。
自宅は強制疎開させられ、新しく建てた家も空襲で焼けた。
私は肺病、父はリウマチを患っていた。そして私が17歳の時に終戦。本当に苦しい、大変な状況だった。
それが偉大な師匠と哲学に巡り合い、ここまでの仕事を成し遂げることができた。
今、皆さんは同じ10代。私のころと比べれば、本当に環境に恵まれています。どうか、頑張ってもらいたい。
また、ロシアをはじめ、各国から贈られた国家勲章は「27」。すべて、「業績」と「行動」、「貢献」への評価に基づくものです。
皆さんも、私の後に続いてもらいたい。創立者の後に続くのが、学園生です。そうならなければいけない。

■ 思えば、1958年(昭和33年)のきょう3月16日、私の師匠である戸田先生は、人生の勝利の総決算として、”創価は精神界の王者なり”と宣言されました。
私は弟子として、この50年、いかなる難も勝ち越え、堂々たる王者の証しを打ち立てたのであります。
そして、私は今、この世界一の英知の月桂冠と絶対勝利の宝剣を、わが愛する、大切な学園生に譲り託したいのであります(大拍手)。

■ どうか、わが学園生は、世界の子どもたちの希望の太陽となって、人類の未来を勇敢に、朗らかに照らしていってください。
わが学園生の行くところ、進むところ、友情と信頬の春風を!
親孝行の春風を!
勉学と対話の春風を!
健康と歓喜の春風を!
そして、正義と勝利の春風を、旋風を起こしゆかれることを、心からお祈りして、私のスピーチを終わります。ありがとう!(大拍手)
ロシアと中国のますますのご繁栄をお祈り申し上げます。
わが東京校、万歳!
わが関西校、万歳!
そして、私の命よりも大切な学園生、万歳!(大拍手)