投稿者:無冠 投稿日:2016年 9月 2日(金)20時28分50秒   通報
全集未収録のスピーチ144編の各抜粋(聖教新聞 2006.5~2010.4)を掲示します。

2008-3-7 【創価教育代表者会議】

■ 一、ご苦労さま!
創価教育の原点は、初代会長・牧口先生であり、第2代会長・戸田先生である。
お二人は、命をかけて国家主義と戦い抜かれた。創価教育には、世界平和への悲願が込められている。
「権力に民衆が苦しめられた歴史」を「民衆が王者となる新時代」へ大転換させる、創価教育の使命は、ますます重い。

● 「不二」の君よ!
一、創価大学の開学のころ、私は、教員・職員・学生が一体となって、一人一人が「創立者」の自覚と誇りで、理想的な学府の建設をと訴えた。
草創の創価学園では、「未来に羽ばたけ 君と僕」と歌に綴った。
その「未来」は、今である。
今再び「創立者」の自覚で立ち上がるのだ。
人間の社会には、嫉妬もある。忘恩もある。私利私欲が渦巻いている。
だからこそ、冷酷無残な現実を打ち破り、勇敢に信念を貫くのだ。人間を信じ抜く心を、身をもって教える。正義を満天下に打ち立てる──そこに教育者の魂があり、師弟の勝利が輝きわたるのだ。
「君と僕」の心が不二ならば、何も恐れるものはない。
創価教育さえ盤石ならば、平和の大道が絶えることはない。未来は明るい。
今こそ、固く団結し、全生命を奮い立たせて、永遠の大発展の土台を、私とともに、完璧に築いていただきたい(大拍手)。

■ 一、きょうは、わが創価大学、創価女子短期大学、アメリカ創価大学、そして創価学園の代表の皆様方が集われた。
じっくりと語り合うことができ、これほどうれしいことはない。
「対話は、知的活動を活発にし、行動を起こす」
ロシアの著名な哲学者であった、モスクワ大学のロジェストベンスキー教授の言葉である。
青年のため、未来のため、社会のため、世界のため、創価教育の発展のために、きょうも、生き生きと対話を繰り広げたい(大拍手)。

● 何のための知識
一、イギリス19世紀の哲学者ジョン・スチュアート・ミルは語った。
「大学はすべての知識を、人生にとって価値あるもの、即ち、われわれ各人が人類のために実際に役立つ人間になることと人類そのものの品性を高めること、つまり人間性を高貴にすることという二重の目的を達成するための主な手段として、提供しなければなりません」(竹内一誠訳『ミルの大学教育論』御茶の水書房)
含蓄の深い大学観であり、教育観である。
うれしいことに、わが創価大学は、まさしく「人類のために実際に役立つ人間」を育て、そして「人類そのものの品性を高める」人間教育の最高学府として、全世界から深く広く信頼を寄せられる時代に入った。

偉大なる
指導者出よと
祈りつつ
我は決意の
創大建てなむ

私は、創大が関学する3年前の5月3日、新しき人材育成の学府の未来を展望した。その思いを和歌に留めた。〈和歌は現在、創大本部棟で特別展示されている〉
創大の開学は、創価教育の父・牧口常三郎先生の生誕100周年にあたる、1971年(昭和46年)のことであった。
創価大学の大興隆を、牧口先生も、また戸田先生も、いかばかり、お喜びくださっていることか。

■ 心の冷たい小才子になるな (※小才子=〔「こざい」とも〕小才(少しの才知)の利く者)
「世界の知性も、わが「創価教育」に大いなる希望を見いだしている。
現在、私が対談を進めている国連のチョウドリ前事務次長も、こう語ってくださった。
「現代の教育制度は、多くの知識を学生に教えますが、人間性を育むことができていないのではないでしょうか。
教育機関によって、『頭』はいいが『心』の冷たい”ロボット”のような人間が生み出されているとしたら、じつに悲しむべきことです。
その点、私は『価値創造』を教える創価教育の卓越性に注目しています。
創価教育の考え方を、世界に広めていくべきです」
〈チョウドリ前国連事務次長と名誉会長の対談は、月刊誌「潮」の5月号から連載の予定〉
チョウドリ前事務次長は、アメリカ創価大学でも記念講演をしてくださっている。学生たちと深い交流を結んでくださり、感謝にたえない。

■ 一、私は、創価学園、創価大学の建設のために、私財を捧げ、全魂を注いできた。
人材を!
青年を!
後継者を育てるしかない!
それが、恩師から教えられた一切の勝利の大道であったからだ。
私が創価学園の建設予定地に足を運んだのは、昭和三十五年の春四月。
自然豊かな武蔵野の大地であった。
そして、創価大学の建設予定地も、緑に包まれた丹木の丘であった。
学園からも、創大からも、秀麗な日本一の富士が見える。
私と妻は、同志とともに、将来の世界的な大発展を、ずっと心に思い描いてきた。
今、創大には、新たな女子寮「創春寮」が完成した。省エネに配慮した自然換気システムとオール電化システムが完備され、生活に優しくつくられた家具もある。新入生がやって来るのを、今か今かと待っている。
新総合体育館も、明年三月に完成の予定だ。太陽の丘には、堅固な骨組みが、すでに姿を見せている。
さらに、海の向こうのアメリカ創価大学では、2010年の完成を目指して、新たな「講堂」の建設準備が進んでいる。
奨学金制度も拡充される運びである。
創価教育の各校から、全世界へ、これからも、どれだけ多くの平和の指導者、民衆のリーダーが羽ばたいていくことか。
それを思うと、私の胸は希望にあふれる。
■ 威張る人間とは闘え!
一、また彼(パスツール)は、自身のもとを巣立ち、離れた地に教師として赴任する弟子へ、次のような励ましの言葉を綴っている。
「勇気を出しなさい」「生徒には素晴らしく立派な授業を授けるのです。そして授業の余暇には、君自身の実験に全力を尽くしなさい」(ヴァレリー・ラト著、桶谷繁雄訳『ルヰ・パストゥール』富山房。現代表記に改めた)
勇気をもって、自らの使命の実現へ全力で取り組む人、真実を求める人は強い。この力を鍛えるのが、教育の重要な使命であろう。
私は、創価大学、創価学園を、恩師の遺言通りに創立した。
尊き創価の学生に対して威張る人間や、創立の精神を踏みにじる悪、保身やエゴを目的とする輩がいたならば、断じて闘うのだ。団結して闘うことだ。

● 学生第一で改革
一、優秀な多くの人材を世に送り出し、発展し続ける大学には、どのような特質があるか。
私は、世界の諸大学を訪問し、多くの大学首脳と対話を重ね、学生たちとも胸襟を開いて語り合ってきた。
そうした見聞のうえから、発展する大学の特質を、3点にわたって、章先生に申し上げた。
第一に、大学首脳が、真剣に学生の声に耳を傾け、「学生第一」の校風を率先して広げていること。
第二には、従来の手法や制度に安住することなく、時代の動向に絶えず目を配り、社会や人々が最も必要としていることは何かを探りつつ、大胆な改革を厭わないこと。
そして第三の点として、何より大切なのは、いかなる時代の波浪に遭おうとも「建学の精神」を堅持し、実現させることを最大の誇りとし、責務としていることである──と。
章先生は、「いずれも深く納得できる点です」と、心から共感してくださった。
そして、こう語っておられた。
「その観点に照らしますと、貴・創価大学は、まさに、理想的な大学建設の最先端を進んでおられると思います。
とくに創価大学は、社会や民衆への奉仕という面で多くのことに取り組まれてきました。
それによって勝ち得た業績や影響は、実に大きなものがあると思います」
創価大学に対する、世界の大教育者の評価として、ありのままにご紹介したい(大拍手)。

● 邪悪には決着を 巌窟王になれ!
一、次元は異なるが、戸田先生も、獄死という“不遇のなかの不遇”に処された牧口先生の真実を世に知らしめるため、「巌窟王」となって戦い抜かれた。
私もまた、牧口先生、戸田先生の真実を、燦然と世界に示してきた。
かつて、私は愛する創大生に書き贈った。
「私は侮辱を受けても 復讐など求めない!
しかし絶対に大勝利者となりて
悪の確執に決着をつけてみせる!」
創価教育は、三代の夢である。すべての民衆が輝く時代へ、正義の勝利の人材城の建設へ、一段と力を注いでまいりたい(大拍手)。

● 育て! 偉大な「王子」「王女」よ
一、創価大学の第1回入学式は、昭和46年(1971年)の4月であった。
その折、ある父母が、誇りをもって、うれしそうに、こう語っておられた。
「『八王子』という地名には、優秀な偉大な『王子』『王女』、すなわち学生たちが、たくさん育って、日本の社会の、そして世界の大指導者となって活躍するという意義がありますね」
今や、その通りの八王子となり、創価大学、創価女子短期大学となった(大拍手)。
これからも、さらに無数の大人材を、世界へ、世紀へ育てゆくことを決意し合って、本日のスピーチを終わりたい。
長時間、ありがとう!
教育は、私の最後の事業である。いよいよ、これからが本番だ。
ともに前進しよう!(大拍手)          (2008・3・7)