投稿者:赤胴鈴之助 投稿日:2016年 7月 9日(土)02時31分0秒
うえの、けんじんどの、ごへんじ
これは、あつわらのことの、ありがたさに、もうすご へんじなり。
うえのどの、ははごぜん、ごへんじ
しじゅうくにちごしょ
しっぴつ、 こうあんさんねん、10がつ24、59さい。
p1568。
なんじょうこしちろうごろうどののしじゅうくにち、みぼだいのために、おくりたもうものの、にっきのこと、がもくりょうゆひ、はくまいいちだ、いもいちだ、すりだうふ、こんにやく、かきひとかご、ゆごじゅう、などうんぬん みぼだいの、おんために、ほけきょういちぶ、じがげすうど、だいもく、ひゃくせんべんとなへ、たてまつりそうらいおわんぬ。
そもそも、ほけきょうともうす、みきょうは、いちだいしょうきょうには、にるべくもなき、みきょうにて、しかもゆいぶつよぶつと、とかれて、ほとけと、ほとけとのみこそ、しろしめされて、とうかく、いかないし、ぼんぷは、かなはぬことに、そうらへ。
されば、りゅうじゅぼさつの、だいろんには、ほとけ、いかは、ただしんじて、ほとけになるべしと、みえてそうらう、ほけきょうの、だいよん、ほっしほんに、いわく、「やくおう、いま、なんじにつぐ、わがしょせつの、しょきょうあり、しかも、このきょうの、なかに、おいて、ほっけ、もっともだいいちなり」とう、うんぬん、だいごのまきに、いわく「もんじゅしり、この、ほけきょうは、しょぶつにょらいの、ひみつのぞうなり、しょきょうのうちに、おいて、もっとも、そのうえに、あり」とう、うんぬん。
だいしちの、まきにいわく、「このほけきょうも、またまた、かくのごとし、しょきょうのなかに、おいて、ももっとそのうえたり」、またいわく、「ももっとも、しょうみょうたり、もっとも、そのそんたり」とううんぬん、これらのきょうもん、わたくしのぎにあらず、ほとけの、じょうげんにて、そうらへば、さだめて、よも、あやまりはそうらはじ、たみがいえに、うまれたるもの、われは、さむらいに、ひとしなんどもうせば、かならず、とが、きたる。
まして、われ、こくおうにひとし、まして、すぐれたりなんと、もうせば、わがみのとがと、なるのみならず、ふぼともうし、さいしといひ、かならずそんずること、たいかのいえをやき、たいぼくの、たおるるとき、しょうぼくなどの、そんずるが、ごとし。
ぶっきょうも、またかくのごとく、けごん、あごん、ほうとう、はんにゃ、だいにちきょう、あみだきょうなどによる、ひとびとの、わがわしんじたるままに、しょうれつも、わきまへずして、わがあみだきょうなどは、ほけきょうと、さいとうなり。
はたまた、れすぐたりなんど、もうせば、そのいちるいのひとびとは、わがきょうを、ほめられ、うれしとおもへども、かえって、とがとなりて、しも、でしも、だんなも、あくどうに、おつること、やをいるがごとし、 p1569
ただし、ほけきょうの、いっさいきょうに、すぐれりともうしてそうらうは、くるしからず、かえって、だいくどくと、なりそうらう、きょうもんのごとくなるがゆえなり。
この、ほけきょうの、はじめに、むりょうぎきょうと、もうすきょうおはします、たとえば、だいおうの、みゆきのおんとき、しょうぐん、ぜんじんして、ろうぜきをしづむるが、ごとし、そのむりょうぎきょうに、いわく、「よんじゅうよねんには、いまだ、しんじつを、あらわさず」とう、うんぬん。 これは、しょうぐんが、だいおうに、てきするものを、おおゆみをもって、いはらひ、また、たちを、もってきりすつるがごとし、けごんきょうを、よむ、けごんしゅう、あごんきょうの、りつそうら、かんきょうの、ねんぶつしゃなど、だいにちきょうの、しんごんしなどの、ものどもが、ほけきょうに、したがはぬを、せめなびかす、りけんのちょくせんなり。
えたとば、さだとうを、よしいえがせめ、きよもりをよりともの、うちうせしがごとし、むりょうぎきょうの、よんじゅうよねんのもんは、ふどうみょうおうの、けんさく、あいぜんみょうおうの、きゅうせんなり。
こ、なんじょうごろうどのの、しでの、、やま、さんずのかわを、こしたまわんとき、ぼんのうの、さんぞく、ざいごうの、かいぞくを、しずめて、じこなく、りょうぜんじょうどへ、まいらせたまうべき、おんともの、つわものは、むりょうぎきょうの、よんじゅうよねん、みけんしんじつのもんぞかし。
ほけきょう、だいいちのまき、ほうべんぽんに、いわく、「せそんの、ほうは、ひさしくして、のち、かならずまさにしんじつを、ときたもうべし」。
またいわく、「しょうじきに、ほうべんをすてて、ただ、むじょうどうをとく」うんぬん、だいごのまきにいわく、「ただ、けいちゅうの、みょうじゅ」また、いわく、「ひとりおうの、ちょうじょうに、このいちじゅあり」またいわく、「かの、ごうりきの、おうの、ひさしくまもれるみょうじゅを、いま、すなわちこれを、あたうるがごとし」とううんぬん。
もんのこころは、にほんこくに、いっさいきょう、わたれり、ななせん、さんびゃく、きゅうじゅう、きゅうかんなり、それぞれの、きょうきょうは、みなほけきょうの、けんぞくなり。
れいせば、にほんこくの、なんにょのかず、よんじゅう、きゅうおく、きゅうまん、よんせん、はっぴゃく、にじゅうはちにん、そうらへども、みなひとりのこくおうの、けにんたるが、ごとし。
いっさいきょうの、こころは、ぐちの、にょにんなんどの、ただいっときに、こころうべきやうは、たとへば、だいとうを、くみそうらうには、まずざいもくより、そとに、あじろともうして、おおくの、しょうぼくを、あつめ、いちじょう、にじょうばかり、ゆひあげそうらうなり、かくゆひあげて、ざいもくをもって、だいとうをくみあげ、そうらいつれば、かえって、あじろを、きりすて、だいとうはそうらうなり、あじろと、もうすは、いっさいきょうなり、だいとうともうすは、ほけきょうなり。
ほとけ、いっさいきょうを、ときたまいしことは、ほけきょうを、とかせたまはんための、あじろなり、しょうじき、しゃほうべんと、もうして、ほけきょうを、しんずるひとは、あみだきょうなどの、なむあみだぶつ、だいにちきょうなどの、しんごんしゅう、あごんきょうなどの、りっしゅうの、にひゃく、ごじゅっかいなどを、きりすて、なげうちて、のち、ほけきょうをば、たもちそうらうなり。
だいとうを、くまんがためには、あじろたいせつなれども、だいとうを、くみあげぬれば、あじろを、きりおとすなり、
p1570
しょうじき、しゃほうべんともうす、もんのこころ、これなり、あじろより、とうは、しゅったいしてそうらへども、とうをすてて、あじろを、をがむひとなし。
いまのよの、どうしんしゃら、にいっこう、なむあみだぶつととなえて、いっしょうをすごし、なむみょうほうれんげきょうと、いっぺんも、となへぬひとびとは、だいとうを、すてて、あじろを、をがむひとびとなり、せけんに、かしこく、はかなきひとと、もうすはこれなり。
こ、しちろうごろうどのは、とうせいの、にほんこくのひとびとには、にさせたまはず、をさなき、こころなれども、かしこき、ちちのあとをおひ、おんとしいまだ、はたちにも、およばぬひとが、なむみょうほうれんげきょうと、となえさせたまいて、ほとけにならせたまいぬ、むいちふじょうぶつは、これなり。
こいねがわくは、ひもわがこを、こいしくおぼしめしたまいなば、なむみょうほうれんげきょうと、となえさせたまいて、こ、なんじょうどの、こ、ごろうどのと、ひとところに、うまれんとねがはせたまへ。
ひとつたねは、ひとつたね、べつのたねは、べつのたね、おなじみょうほうれんげきょうの、たねを、こころに、はらませたまいなば、おなじみょうほうれんげきょうのくにへ、うまれさせたもうべし、さんにん、おもてをならべさせたまはんとき、おんよろこびいかが、うれしくおぼしめすべきや。
そもそも、この、ほけきょうを、ひらいて、はいけんつかまつりそうらへば、「にょらい、すなわちために、ころもをもってこれを、おおいたもう。
また、たほう、げんざいの、しょぶつの、ごねんするところと、ならん」とう、うんぬん、きょうもんの、こころはとうざいなんぼく、はっぽう、ならびに、さんぜん、だいせんせかいの、ほか、よんひゃくまん、のく、なゆたの、こくどに、じゅっぽうの、しょぶつ、ぞくぞくとじゅうまんせさせたもう。
てんにはほしのごとく、ちには、とうまのやうに、ならびいさせたまひ、ほけきょうの、ぎょうじゃを、しゅごせさせたもふこと、たとえば、だいおうの、たいしを、もろもろのしんかの、しゅごするがごとし、ただ、してんのう、いちるいの、まほりたまはんことの、かたじけなくそうらうに、いっさいのしてんのう、いっさいのせいしゅく、いっさいのにちがつ、たいしゃく、ぼんでんなどの、しゅごせさせたもうにたるべきことなり。
そのうえ、いっさいのにじょう、いっさいのぼさつ、とそつないいんの、みろくぼさつ、からだせんの、じぞう、ふだらくせんの、かんぜおん、しょうりょうせんの、もんじゅしりぼさつなど。
おのおの、けんぞくを、ぐそくして、ほけきょうのぎょうじゃを、しゅごせさせたもうに、たるべきことに、そうらいに、また、かたじけなくも、しゃか、たほう、じゅっぽうのしょぶつの、てづから、みづから、きたりたまいて、ちゅうや、じゅうにときに、まもらせたまはんことの、かたじけなさもうすばかりなし。
かかるめでたき、みきょうを、こ、ごろうどのは、ごしんようありて、ほとけにならせたまいて、きょうは、しじゅうくにちに、ならせたまへば、いっさいの、しょぶつ、りょうぜんじょうどに、あつまらせたまいて、あるいは、てにすへ、あるいは、いただきをなで、あるいはいだき、あるいはよろこび、つきの、はじめていでたるがごとく、はなの、はじめてさけるがごとく、いかに、あいしまいらせ、たもうらん。
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そもそも、いかなれば、さんぜ、じゅっぽうのしょぶつは、あながちに、この、ほけきょうをば、まもらせたもふと、かんがへてそうらへば、どうりにてそうらいけるぞ、ほけきょうと、もうすは、さんぜじゅっぽうの、しょぶつのふぼなり、めのととなり、あるじにて、ましましけるぞや。
かえるともうすむしは、ははのこえをじきとす、ははのこえを、きかざれば、せいちょうすることなし、からぐらと、もうすむしは、かぜをじきとす、かぜふかざれば、せいちょうせず、さかなは、みずをたのみ、とりは、きをすみかとす。
ほとけもまたかくのごとく、ほけきょうを、いのちとし、じきとし、すみかとしたもうなり、さかなはみずにすむ、ほとけはこのきょうにすみうたも、とりはきにすむ、ほとけはこのきょうに、すみたもう。
つきは、みずにやどる、ほとけは、このきょうに、やどりたもう、この、きょうなきくにには、ほとけましますことなしと、おんこころえあるべくそうらう。
ふるきむかし、りんだおうともうせし、おうを はしき、なんえんぶだいの、あるじなり、このおうは、なにをか、く ごとしたまいしと、たずぬれば、はくばのいななくをきいて、じきとしたもう。
このおうは、はくばの、いななけば、としもわかくなり、いろもさかんに、たましいもいさぎよく、ちからもつよく、またまつりごとも、あきらかなり、ゆえに、その、くにには、はくばを、おおくあつめ、かいしなり。
えたとば、ぎおうと、もうせしおうの、つるをおおくあつめ、とくそうこうていの、ほたるを、せあいしがごとし、はくばの、いななくことは、またはくちょうの、なきしゆえなり、されば、また、はくちょうを、おおくあつめしなり。
あるとき、いかにしけん、はくちょう、みなうせて、はくば、いななかざりしかば、だいおう、ともたえて、さかんなるはなの、つゆにしほれしがごとく、まんげつの、くもに、おほ はれたるが、ごとし。
このおう、すでに、かくれさせたまはんと、せしかば、きさき、たいし、だいじん、いっこく、みな、ははにわかれたるこのごとく、みな、いろをうしなひて、なみだを、そでにおびたり、いかにせん、いかにせん。
そのくにに、げどうおおし、とうじのぜんしゅう、ねんぶつしゃ、しんごんし、りつそうなどのごとし。 また、ほとけのでしもあり、とうじの、ほっけしゅうのひとびとの、ごとし、なかあしきこと、すいかなり、ことえつとに、にたり、だいおう、ちょくせんをくだしていわく、いっさいのげどう、このうまを、いななかせば、ぶっきょうを、うしないて、にいっこうげどうを、しんぜんこと、しょてんの、たいしゃくをうやまうがごとくならん。
ぶつでし、このうまを、いななかせば、いっさいのげどうの、くびをきり、そのところをうばひとりて、ぶつで しにつくべしとうんぬん。
げどうも、いろをうしなひ、ぶつでしも、なげきあへり、しかれども、さて、はつべきことならねば、げどうは、さきに、ひちにちをおこなひき、しらとりもきたらず、はくばも、いななかず、のちひちにちを、ぶつでしに、わたして、いのらせしに、めみょうともうすこぞう、ひとりあり。
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しょぶつの、ごほんぞんとしたもう、ほけきょうをもってひちにち、いのりしかば、はくちょう、だんじょうに、とびきたる、このとり、ひとこえなきしかば、ひとつうま、ひとこえいななく、だいおうは、うまのこえをきいて、やまいのとこより、をきたもう。
きさきより、はじめてしょにん、めみょうにむかいて、らいはいをなす、しらとり、いち、に、さんないし、じゅう、ひゃく、せん、しゅったいして、くにじゅうに、じゅうまんせり、はくばしきりに、いななき、ひとつうま、ふたつうま、ないし、ひゃく、せんの、はくばいななきしかば、だいおう、このこえを、きこしめし、めんぼうは、さんじゅうばかり、こころは、ひのごとくあきらかに、まつりごとしょうじきなりしかば、てんより、かんろふりくだり、ちょくふう、ばんみんを、なびかして、むりょう、ひゃくさい、よをおさめたまいき。
ほとけも、またかくのごとく、たほうぶつともうす、ほとけは、このきょうに、あひたまはざれば、ごにゅうめつ、このきょうを、よむ、よには、しゅつげんしたもう。
しゃかぶつ、じゅっぽうのしょぶつも、またまた、かくのごとし、かかるふしぎのとくまします、きょうなれば、このきょうを、たもつひとをば、いかでか、てんしょうだいじん、はちまんだいぼさつ、ふじせんげんだいぼさつすてさせたもうべきと、たのもしきことなり。
また、このきょうに、あだをなす、くにをば、いかに、しょうじきに、いのりそうらへども、かならず、そのくにに、しちなんおこりて、たこくにやぶられて、ぼうこくとなりそうらうこと。
たいかいの、なかの、たいせんの、おおかぜに、あうがごとく、だいかんばつの、そうもくをからすがごとしと、をぼしめせ。
とうじ、にほんこくの、いかなる、いのりそうらうとも、にちれんが、いちもん、ほけきょうの、ぎょうじゃを、あなづらせたまへば、さまざまの、おんいのり、かなはずして、だいもうここくに、せめられて、すでに、ほろびんとするがごとし。
いまも、ごらんぜよ、ただかくては、そうらうまじきぞ、これみな、ほけきょうを、あだませたもうゆえと、ごしんようあるべし。
そもそも、こ、ごろうどの、かくれたまいて、すでに、しじゅうくにちなり、むじょうは、つねのならいなれども、このことうちきくひとすら、なおしのびがたし、いわんや、ははとなり、つまとなるひとをや、こころのなか、をしはかられてそうらう。 ひとのこには、おさなきもあり、おとなしきもあり、みにくきもあり、かたわなるも、あるものをすら、おもいに、なるべかりけるにや、をのこごたるうえ、よろづに、たらひ、なさけあり、こ、うえのどのには、さかんなりしとき、をくれて、なげきあさからざりしに、このこを、かいにんせずば、ひにもはいり、みずにもはいらんとおもいしに、このこ、すでに、へいあんなりしかば、だれに、あつらへてみをも、なぐべきと、おもうて、ここに、こころをなぐさめてこのじゅうしごねんは、すぎぬ、いかに、いかにと、すべき。
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ふたりの、をのこごにこそ、、になわれめと、たのもしく、おもひそうらいつるに、ことし9がつ5にち、つきをくもにかくされ、はなを、かぜにふかせて、ゆめか、ゆめならざるか、あわれひさしきゆめかなと、なげきをりそうらへば、うつつに、にて、すでに、しじゅうくにちはせすぎぬ、まことならば、いかんがせん。
さけるはなは、ちらずして、つぼめるはなのかれたる、をいたるははは、とどまりて、わかきこは、さりぬ、なさけ、なかりける、むじょうかな、むじょうかな。
かかる、なさけなきくにをば、いとい、すてさせたまいて、こ、ごろうどのの、ごしんようありし、ほけきょうに、つかせたまいて、じょうじゅう、ふえの、りやうぜんじょうどへ、とくまいらせたもう、ちちは、りやうぜんにまします、ははは、しゃばにとどまれり、ふたりの、ちゅうげんに、をはします、こ、ごろうどのの、こころこそ、をもひやられて、あはれに、をぼへそうらへ、ことおおしともうせども、とどめ、そうらいおわんぬ、きょうきょうきんげん。
10がつ24にち          にちれん かおう
うえのどの、ははあまごぜん、ごへんじ
たいごう、 なんじょう、ときみつの、はは、