投稿者:陽光メール 投稿日:2016年 6月26日(日)01時26分28秒   通報
法華経の智慧 「提婆達多品」よりー 続き

名誉会長: そう、悪知識をも善知識に変えるのが妙法の力であり、苦悩をも喜びに変え、追い風に変えるのが信心の一念の力です。提婆品は、このことを教えているのです。日蓮大聖人は、「釈迦如来の御ためには提婆達多こそ第一の善知識なれ、今の世間を見るに人をよくなすものはかたうどよりも強敵が人をば・よくなしけるなり」(御書 p917) —- 釈迦如来の御ためには、提婆達多こそ第一の善知識である。今の世間を見ると、人を立派にしていくものは、味方よりもむしろ強敵が人を立派にしていくのです —- と言われている。

成仏するには「内なる悪」に勝利しきらなければならない。そのためには具体的には「外なる悪」と戦い、勝たねばならない。悪と戦うことによって、生命が鍛えられ、浄められ、成仏するのです。極悪と戦うから、極善になるのです。自分の生命を鍛え、成仏させてくれるという本質論から見たときには、その極悪も師匠とさえ言えるのです。ゆえにポイントは、極悪の提婆達多をも過去の師匠なり、と説く釈尊の「大勝利の境涯」にあります。勝ったからこそ、そう言えるのです。勝ったからこそ仏なのです。

日蓮大聖人も大勝利されたからこそ、こう仰せなのです。「日蓮が仏にならん第一のかたうどは景信・法師には良観・道隆・道阿弥陀仏と平左衛門尉・守殿ましまさずんば争か法華経の行者とはなるべき」(御書 p917)と。

御本仏を迫害した「悪」の存在をも「善」に変えてしまわれた。実際、大聖人や釈尊のそういう戦いの模範があったからこそ、後世の私どもは「正道」がどこにあるかわかる。その意味で、提婆も平左衛門尉たちも、反面教師として、後世に「善の道」を示してくれている、といえるでしょう。

創価学会も、ありとあらゆる迫害・弾圧・策謀に全部、打ち勝ってきました。その戦いによって、皆の信心が深まり、強くなった。難もなく、簡単に広宣流布ができたら、鍛えの場がなく、成仏する修行の場がなくなってしまう。難即前進です。煩悩即菩提です。一切の苦悩を即幸福へのエンジンとしていくのです。一切の悪を、善の炎がいや増して燃えさかるための薪としていくのです。