2015年7月10日 投稿者:ダメよ~ダメダメ 投稿日:2015年 7月10日(金)23時55分38秒 通報 編集済 以下、引用。 ※大阪日日新聞 一刀両断より 【 慶応大学名誉教授、小林節氏の 『一刀両断』(いっとうりょうだん) 】 ひとたちでまっぷたつに斬(き)ること。憲法学者、弁護士、政治家のアドバイザーとして活躍中。第1回は田中真紀子外相を取り上げる。永田町や霞ケ関では更迭論の集中砲火だが、小林氏は擁護論を展開する。 【 小林 節 (こばやし・せつ) 】 慶応大学名誉教授。弁護士。日本海新聞・大阪日日新聞客員論説委員。1949年東京都生まれ。1977年慶応大学法学部博士課程修了。ハーバード大学客員研究員。法学博士。『憲法守って国滅ぶ』(KKベストセラーズ)、『そろそろ憲法を変えてみようか』(致知出版社)ほか多数。 評価に値する維新の対案 2015/7/07 安倍政権が海外派兵の突破口にしようとしている「存立危機事態」の対案として、維新の党が「武力攻撃危機事態」という概念を提案している。 政権の案は、要するに、例えばホルムズ海峡が機雷で封鎖されたら、その結果、即、わが国の存立が脅かされ全国民の人権が否定される「明白な危険」がある場合になり、わが国は集団的自衛権を行使して飛んで行って参戦する…というとんでもない代物である。 しかし、ホルムズ海峡がしばらく封鎖されたくらいでわが国の存続にかかわることなどあり得ない。これでは海外派兵を明確に禁じている憲法9条に露骨に違反してしまう。 そこで維新は、自公が「安全保障環境が変化して危険が増している」と吹聴しているが、まず尖閣諸島については、領域警備法の制定で自衛隊の速やかな出動を可能にして対応するとする。そして次に、朝鮮戦争が勃発した場合には、日本防衛のために日本海へ出動している米艦が攻撃された場合には、それは、地理的近さと兵器の能力と北朝鮮の意思から、日本への攻撃の着手とみなされるので、維新は、わが国は憲法が許している個別的自衛権を行使して参戦するとしている。 私は、これはまっとうな対案だと思い、支持する。 まず、自公の「存立危機事態」は、あまりに荒唐無稽で、始めに海外派兵(憲法突破)ありきで、到底理解も賛成もできない。 また、尖閣の危機に対しては、筋違いな海外派兵で守る(?)自公の案よりも、法律の不備を埋める方が現実的かつ有効でこれは民主党なども提案しているところである。 さらに、北朝鮮が暴発した場合は、米韓両国と戦争状態に入るが、それは即、在日米軍基地が戦時下になることで、わが国は憲法が許している個別的自衛権で出動することができる。これもすでに民主党などが指摘してきたところで、それを確認した案として、維新案は過不足ない。 この維新の案に対して「自公に利用される」「集団的自衛権の行使を認めるものだ」と批判が出ているが、それらは、単なる不安のための不安を語っているようで、当たっていない。個別的自衛権で説明できる事例を個別的自衛権で説明した維新の案自体は、そのごとくに素直に評価すべきである。その上で、維新の「国会審議」対応が自公に利用されるものであれば、それはそれで批判すればよい。 (慶大名誉教授・弁護士) http://www.nnn.co.jp/dainichi/column/ryoudan/ http:// Tweet