投稿者:信濃町の人びと   投稿日:2015年 6月23日(火)22時15分35秒     通報
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http://youtu.be/1HSM8rGMCm4

【毎日新聞より】

沖縄は23日、沖縄の全戦没者を追悼する「慰霊の日」を迎えた。1945年6月23日に3カ月近く続いた旧日本軍の組織的戦闘が終結してから今年で70年。沖縄県などが糸満市の平和祈念公園で営んだ「沖縄全戦没者追悼式」では、沖縄県立与勝(よかつ)高校(うるま市)3年の知念捷(ちねん・まさる)さん(17)が、自作の平和の詩「みるく世がやゆら」を朗読した。沖縄独特の短歌である「琉歌(りゅうか)」や沖縄の言葉なども織り交ぜながら、知念さんが何度も問いかけたのは、戦後70年の今は、そして未来は「みるく世がやゆら(平和でしょうか)」だった。

詩では、沖縄戦で22歳の夫を失った祖父の姉をモデルに、沖縄戦の記憶が薄れていく様子と、戦争体験の風化を重ねて表現した。祖父の姉は知念さんを幼いころからかわいがってくれたが、認知症を患い、戦争で夫を失った妻の歌である「軍人節」を何度も口ずさむようになった。

知念さんは祖父の姉から直接戦争体験を聞いたことはなかったが、戦争と夫の記憶が消えそうになるのに必死に抗(あらが)っているような姿を見て、「彼女の気持ちや戦争の惨めさを少しでも心にとどめ、寄り添いたい」と詩につづった。

「無慈悲にも自然の摂理は 彼女の記憶を風の中へと消してゆく」「気が重い 一層 戦争のことは風に流してしまいたい」。あの戦争から70年。体験者が年々減り、当時の記憶が薄れ、風化していく現実。それでも「忘れてはならぬ 彼女の記憶を 戦争の惨めさを」と思いを込めた。

繰り返された「みるく世がやゆら」の問いかけ。「それぞれが自分に問いかけ、何かを感じ取ってほしい」と知念さんは語る。「みるく世がやゆら 潮風に吹かれ、私は彼女の記憶を心に留める みるく世の素晴らしさを 未来へと繋(つな)ぐ」。5分以上に及ぶ詩の朗読をそう結ぶと、会場からは大きな拍手が送られた。