投稿者:信濃町の人びと   投稿日:2015年 5月28日(木)16時43分36秒     通報
池田大作全集97巻より
方面長協議会 (2005年2月11日)③

■極寒の佐渡で慈愛の大闘争

日蓮大聖人の御一生は、大難の連続であられた。
とくに、竜の口の法難、佐渡流罪は、命にもかかわる大難の日々であった。佐渡に着かれたのは一一七一年(文永八年)の十月、大聖人五十歳の御時である。

その年の冬から翌年の春まで、佐渡で住まわれた塚原三昧堂は

「上は いたま(板間)あはず四壁はあばらに雪 ふりつも(降積) りて消ゆる事なし」というありさまであった。

そのうえ、佐渡では、念仏者等につねに命を狙われる状況であった。
その真っただ中にあって、大聖人は、破邪顕正の言論戦を展開され、また「開目抄」「観心本尊抄」といった法門上、重要な御抄を次々としたためられていく。

最悪の状況のなかでも、全民衆の幸福のために、戦い続けていかれたのである。

佐渡に流罪中、大聖人の弟子になった一人に最蓮房がいる。大聖人が最蓮房に与えた御抄には、「生死一大事血脈抄」「草木成仏口決」「祈祷抄」「祈祷経送状」「諸法実相抄」「当体義抄」などがある。

一二七二年(文永九年)四月、大聖人が与えた「最蓮房御返事」と呼ばれる御手紙には、佐渡における大聖人の御心境がしたためられている。

「お咎めをこうむり、遠国の島に流罪された人で、私たちのように喜びにあふれでいる者はまさかいないであろう。ゆえに私たちが住んで一仏乗である法華経を修行する所は、どこであっても常寂光の都となる」(御書一三四三ページ、通解)

流罪の身になっても、苛酷な環境であっても、法華経を弘めるゆえに、大難に遭ったのである。成仏は疑いない。これほどの喜びがあろうか。私たちが妙法を修行する所は、常寂光土なのである――と。

これが偉大な御本仏の大境涯である。
創価学会も、広宣流布のために戦っているからこそ、難を受けてきた。そして勝ち越え、正義を打ち立ててきた。
これこそ、大聖人の仰せどおりに戦う私たちの誉れである。

そして御手紙では、続いて、こう述べられる。

「あなたの流罪が早く許されて、都へ上られたならば、私(日蓮)も、鎌倉殿(北条時宗)が許さないと仰せになっても、諸天等に申して鎌倉に帰り、京都にお手紙を差し上げよう。
また私が先に許されて鎌倉に帰ったならば、あなたのことをも諸天に申して、京都へ帰れるようにしよう」(同ページ、通解)と。

遠く流されてきた最蓮房にとって、この慈愛の激励は、どれほど心にしみただろうか。

わが身を差しおいても、苦境の友を励ます。これこそ、大聖人の御心であり、学会精神である。

私はここで、今、震災を乗り越え、豪雪と戦っておられる、わが愛する新潟の同志の皆さま方に、あらためて心からのお見舞いを申し上げたい。
信心は宿命転換の戦いである。皆さまの幸福と勝利を、私は真剣に祈っている。
■「病の時こそ」大確信で

同志の、なかには、病と闘っておられる方もいる。ご家族が病気の方もおられるにちがいない。

御書を拝し、「病をどうとらえるべきか」、信心の根本姿勢をあらためて確認しておきたい。

日蓮大聖人は、夫の病気について報告した妙心尼に、こう教えておられる。

「この病は仏のお計らいだろうか。そのわけは、浄名経、涅槃経には病がある人は仏になると説かれている。病によって仏道を求める心は起こるものである」(御書一四八〇ページ、通解)

病があるからこそ仏になれる。偉大な人間になれるのだ――まことに深い仏法の生命観である。

また、ある時、大聖人は、富木常忍から、夫人の富木尼御前の病気について聞かれた。

大聖人は、側でやさしく語りかけるかのような、慈愛あふれる励ましの御手紙を、富木常忍に託しておられる。

「あなた(富木尼御前)もまた法華経の行者であり、ご信心は月が満ち、潮が満ちるように強盛であるから、どうして病が癒えず、寿命の延びないことがありましょうか。こう強く確信して、御身を大切にして、心の中で、あれこれ嘆かないことです」(御書九七五ページ、通解)

そして、青年門下の南条時光が重病に倒れたと聞くや、御自身も重い病の身であられながら、厳愛の励ましをつづられた。

「(あなたは)上下万人から諌められたり、脅されたりしながらも、ついに信仰を捨てる心がなく、もはや成仏しそうになったので、天魔・外道が病気にさせて脅そうとしているのであろう。命には限りがあるものだから、少しも驚いてはならない」(御書一五八七ページ、通解)

妙法は、生老病死の「四苦」を根本的に克服しゆく、絶対の勝利の法則である。妙法に生きぬく人は、幸福の境涯を三世にわたって楽しんでいけるのである。

信心が深まったからこそ、病魔をはじめ、三障四魔が競い起こる。病もむしろ「仏の境涯を開くチャンス」ととらえて、毅然と闘っていただきたい。そう御本仏は教えておられる。

私は、全同志の健康と長寿と勝利を、来る日も来る日も、懸命に祈っている。

最高の楽しき和合の世界をつくる。そのための信心であり、そのための組織である。この創価の「師弟の世界」、真実の「和合の世界」を永遠に崩してはならない。崩させてはならない。

私は、どこまでも会員第一で進んできた。会員を大事にして、大事にして、大事にしぬいてきた。この一点は、御本尊に誓って断言できる。
徹して一人を大切に

――深き同志愛こそ学会の魂である。

尊き仏子である同志に対して、いばったり、いやな思いをさせては絶対にならない。
同志を苦しめる悪人は仏法上、「破和合僧」の大罪であるからだ。

戸田先生は、「敵は内部だよ」と厳しく言われた。

その言葉のとおり、私利私欲におぼれた不知恩の反逆者が出た。

そして御書に「外道・悪人は如来の正法を破りがたし仏弟子等・必ず仏法を破るべし師子身中の虫の師子を食」と仰せのとおり、大聖人に違背した日顕宗が出たことは、皆さま、ご存じのとおりである。

こうした広布破壊の大悪を、われわれは断固として許すことなく、永遠に、「異体同心の団結」で前進してまいりたい。

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池田大作全集97巻より
方面長協議会 (2005年2月11日)
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②http://6027.teacup.com/situation/bbs/25291

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