投稿者:信濃町の人びと   投稿日:2015年 4月29日(水)18時53分5秒     通報 編集済
池田大作全集89巻より
第25回本部幹部会 (1998年8月27日)②

周総理は、こうも言われた。

「方向と目標が決まっても、道は一歩一歩、歩まねばならない」(前掲『周恩来選集』)

広宣流布――私どもの目標は決まっている。けれども、道は一歩一歩、苦労しながら歩んでいかねばならない。その苦労を避けて、目標への到達はない。

また、こんな言葉がある。

「苦しみを甘んじて受け、耐え忍んで強くなってきた人間こそ、この世でいちばん強い人間なのだ」(新庄哲夫訳)

これは、ホール・ケインの小説『永遠の都』(潮出版社)の中の言葉である。″一人立つ″人間革命の闘争を教えている。

私も、この覚悟でやってきた。

卑怯な人間は「苦しみを受け、耐え忍ぶ」勇気がない。
苦しみから逃げる。自分を守ろうとする。自分が傷つかないように、ずるく立ち回る。学会には、そんな幹部は必要ない。

また、アメリカの著名な教育者デューイは「私の人生哲学は、本質的には、単純な言葉だが、辛抱強く頑張るところにある」(鶴見和子『デューイ・こらいどすこおぷ』未来社)と。

牧口先生、戸田先生が大変に尊敬しておられた、大学者の言葉である。

「21世紀の開幕の第一歩」をともどもに

本日は、日本のほか海外の十七の国・地域から、SGI(創価学会インターナショナル)の同志の代表が参加されている。

「二十一世紀の開幕の第一歩」たる本部幹部会に、ようこそ、いらっしゃいました。ごくろうさま!(拍手)遠いところ、本当に、ありがとう! 心からの敬意をこめて、すべての参加国の方々に拍手をお送りしましょう!(拍手)

中南米から、ブラジル、アルゼンチン、ニカラグアの皆さま。そしてアメリカの代表。アジアから、台湾と韓国の友。

台湾の皆さまは、七年連続で「全国優良人民団体賞」を受賞された。おめでとう!(拍手)
韓国の同志も、堂々たる「世界の模範のスクラム」を築かれた。青年部の活躍も大変に素晴らしい。また、皆さまへの、たくさんの顕彰、心からお祝い申し上げたい。(拍手)

さらに、タイ、ミャンマー(ビルマ)、スリランカの皆さま、ようこそ!(拍手)
ヨーロッパのイタリア、フランス、ドイツ、スペイン、ベルギー、ロシア。中東のバーレーン。そして、遠くアフリカのガーナからも、おいでくださった。

もう一度、皆さまに賛嘆の拍手をお送りしたい。(拍手)

友よ「理想の大陽」へ進め

きょう八月二十七日は、ドイツの大哲学者ヘーゲルの誕生日である。彼は弁証法で有名である。

『ヘーゲル』(澤田章、清水書院)という本には、ヘーゲルが愛した詩がある。ヘーゲルがいつも自分に言い聞かせて、自分を鼓舞したという詩である。

友よ 太陽に向かって努力せよ!
人類の救済が 熟する日も近い
さえぎる木の葉や枝が なんだ
太陽のもとまで 突き進め!
(ヒッペル「人生行路」)

どこへ向かうか? 「太陽」へと向かおう! 「人類の救済」へと向かおう! と。

スケールが大きい。心が大きい。希望が大きい。
ヘーゲルの青春時代は、フランス革命の真っ最中であった。

同じように、今は広宣流布という革命運動の真っ最中である。下を向いて歩くのではない。むなしい遊びの方向へ向かうのでもない。金もうけだけを考えるのでもない。

心の底から「人類のために」と立ち上がれ! と。
「木の葉や枝」のような、小さな障害なんか、気にするな! と。

くだらない悪口なんか、ほおっておけ! と。
我らは「広宣流布」という太陽に向かって進みましょう!(拍手)

それが勇気である。詩は、こう結ばれる。
「そして疲れたら それもよかろう 眠りは それだけ深い」

疲れたからこそ、よく眠れる。働いたからこそ、熟睡できる。戦い切れば、その分、安らかである。幸福である。理想に向かって、戦って、疲れる。それはいちばん幸せなのである。
ゲーテ「恩知らずは何をやっても成功しない」

あす八月二十八日は何の日か――。ドイツの大詩人ゲーテの誕生日である。

ヘーゲルという最高の文化人・哲学者、そしてゲーテ。二人は二十一歳違い。ゲーテが年上である。二人が生きていたころ、ドイツの大学では、「世界に誇る二人の大文化人がドイツ人である」ことを祝って、八月二十七日から二十八日にかけて、お祭りをしたという。

自分がよく知りもしない″神さま″を祭るのではなく、現実にいる「文化人」をたたえる祭りである。ここに文化の深さを感じる。

ゲーテいわく。

「忘恩はつねに一種の弱さである。わたしは有能な人たちが恩知らずであった例を知らない」(『箴言と省察』岩崎英二郎・関楠生訳、『ゲーテ全集』13所収、潮出版社)

つまり、立派な人間に、恩知らずはいない。ひとかどのことをやる人間ならば、受けた恩義は絶対忘れないと、ゲーテは言うのである。

″「自分の力で偉くなった」と錯覚するのは愚か者である。そういう人間に、ろくな仕事ができないことは、一目瞭然である″。こういう意味である。

″何かを為そう、何かで歴史を残そう″というならば、「人間」としても立派でなければならない。

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■第25回本部幹部会 (1998年8月27日)①
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