投稿者:虹と創価家族   投稿日:2015年 4月15日(水)06時17分18秒     通報
池田大作全集3巻【対談】二十一世紀への対話 P.369~370

〝平和憲法〟と自衛

名誉会長:
自衛権は、対外的には、いうまでもなく、他国の急迫不正の侵略に対して、国家の自存を守る権利です。
それは、対内的には、そして根本的には、国民の生きる権利を守るという考え方に根ざしています。
すなわち、個人の生命自体を守るという、自然法的な絶対権の社会的なあらわれが国の自衛権というものであると思います。
であるならば、その自衛権をもって他国の民衆の生命を侵すことができないのは、自明の理です。
ここに自衛権の行使ということの本質があります。

問題は、あらゆる国が他国からの侵略を前提として自衛権を主張し、武力を強化しており、その結果として、現在の国際社会に人類の生存を脅かす戦争の危険が充満していることです。
しかし、この国際社会に存在する戦力に対応して〝自衛〟できるだけの戦力をもとうとすれば、それはますます強大なものにならざるをえません。
それゆえ、武力による自衛の方向は、すでに行き詰ってきているといえましょう。

私は、この問題は、国家対国家の関係における自衛の権利と、その行使の手段としての戦力というとらえ方では、もはや解決できない段階に入っていると考えます。
もう一度、出発点に立ち返って大きい視野に立つならば、一国家の民衆の生存権にとどまらず、全世界の民衆の生存権を問題としなければならない時代に入ったと考えます。

私はこの立場から、戦力の一切を放棄し、安全と生存の保持を、平和を愛する諸国民の公正と信義に託した、
日本国憲法の精神に心から誇りをもち、それを守り抜きたいと思うものです。
そして、それを実あらしめるための戦いが我々の思想運動であると自覚しております。

トインビー博士:
もし日本がその現行憲法の第九条を破棄するとしたら――いや、さらによくないことは、
破棄せずにこれに違反するとしたら――それは日本にとって破局的ともいうべき失敗になるでしょう。・・・・・