投稿者:赤胴鈴之助 投稿日:2016年 8月10日(水)02時04分46秒
四条金吾 よりもと、ちんじょう、
しっぴつ 、けんじ、さんねん、みなつき、にじゅうごにち、ごじゅうろくさい、p1153 。

いぬる、ろくがつ、にじゅうさんにちの、おくだしぶみ、しまだの、さえもんにゅうどうどの、やましろの、みんぶにゅうどうどの、りょうにんの、りおんうけたまわとして、どう、にじゅうごにち、つつしんではいけん、つかまつりそうらい、おわんぬ。
、みぎ、おおせくだしのじょうに、いわく、りゅうぞうごぼうの、ごせつぽうのところに、まいられそうらいける、しだいを、ほかた、おんびんならざるよし、けんぶんのひと、あまねく、ひとかたならず、どうくにもうしあいそうろうこと、おどろきいってそうらう、ととうのじん、そのかず、へいじょうをたいして、でいりすと、うんぬん。
このじょう、あとかたもなき、きょげんなり、しょせん、だれひとの、もうしいれ、そうらいけるやらん、おあいれんを、こうむりて、めしあわせ、じっぴを、きゅうめいされ、そうらはば、しかるべきことにてそうらう。
およそ、このことの、こんげんは、いぬる、みなつき、ここのか、にちれんしょうにんの、おでし、さんみこう、よりもとが、しゅくしょにきたり、もうしていわく。
このごろ、りゅうぞうぼうともうすそう、きょうとより、くだりて、だいぶつの、もんの、にし、くわがやつに、しじゅうして、にちやに、せっぽうつかまつるが、もうしていわく。
げんとうのためぶっぽうに、ごふしん、ぞんぜむひとは、きたりて、もんどうもうすべき、むね、せっぽうせしむるあいだ、かまくらじゅうの、じょうげ、しゃくそんのごとく、とうとびたてまつる。
しかれども、もんどうに、およぶひとなしと、ふうぶんしそうらう、それへゆきむいて、もんどうを、とげ、いっさいしゅじょうの、ごしょうのふしんを、はらしそうらはむとおもい、そうらう。
ききたまはぬかと、もうされしかども、おりふし、みやつかえに、いとまなく、そうらいしほどに、おもいたたず、そうらいしかども、ほうもんのことと、うけたまわりて、たびたび、まかりむかいて、そうらえども、よりもとは、ぞくけのぶんにて、そうらい、ひとことも、いださずそうらいしうえは、あっくに、およばざること、げんさつ、たるべくそうらう。
ここに、りゅうぞうぼう、せっぽうのなかに、もうしていわく、このけんぶん、まんざの、おんちゅうに、ごふしんのほうもんあらば、おおせらるべくと、もうされしところに、にちれんぼうのでし、さんみこう、とうていわく、しょうをうけしより、しをまぬかるまじき、ことはりはじめて、をどろくべきに、そうらはねども、ことさら、とうじにほんこくの、さいげきに、しぼうするもの、かずをしらず、げんぜんの、、むじょう、ひとごとに、おもいしらずといふことなし。
しかるところに、きょうとより、しょうにん、おくだりあって、ひとびとの、ふしんを、はらしたまうよし、うけたまわりて、まいりて、そうらいつれども、ごせつぽうの、さいちゅう、ほねなくも、そうらいなばと、ぞんじそうらいしところに、とうべきこと、あらむひとは、おのおのはばからず、といたまへと、そうらいしあいだ、よろこびいりそうらう。
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まづ、ふしんに、そうらうことは、まっぽうに、しょうをうけて、へんどの、いやしきみに、そうらへども、ちゅうごくのぶっぽう、さいわいに、このくににわたれり、ぜひ、しんじゅすべきところに、きょうは、ごせん、しちせん、あまたなり。
しかも、いちぶつのせつなれば、しょせんは、いちきょうにてこそ、そうらむに、けごん、しんごん、ないしはっしゅう、じょうど、ぜんとて、じっしゅうまで、わかれてをはします。
これらの、しゅうしゅうももんは、ことなりとも、しょせんは、ひとつかと、すいするところに、こうぼうだいしは、わがちょうの、しんごんのがんそ、ほけきょうは、けごんきょう、だいにちきょうに、そうたいすれば、もんのことなるのみならず、そのりは、けろんのほう、むみょうのへんいきなり。
また、ほっけしゅうの、てんだいだいしなどは、じょうとうだいごとう、うんぬん、ほっそうしゅうの、がんそ、じおんだいしのいわく、「ほけきょうは、ほうべん、じんみつきょうは、しんじつ、むしょううじょう、ようふじょうぶつ』、うんぬん。
けごんしゅうの、ちょうかんいわく、「けごんきょうは、ほんきょう、ほけきょうはまつきょう、あるいは、『けごんは、とんとん、ほっけは、ぜんとん』とう、うんぬん。
さんろんしゅうの、かじょうだいしのいわく、『しょだいじょうきょうの、なかには、はんにゃきょうさいだいいち』、うんぬん、じょうどしゅうの、ぜんどうわじょうのいわく、『ねんぶつは、じゅっそくじゅっしょう、ひゃくそく、ひゃくしょう、ほけきょうなどは、せんちゅうむいち』うんぬん。
ほうねんしょうにんいわく、『ほけきょうを、ねんぶつに、たいして、しゃへいかくほう、あるいは、ぎょうじゃは、ぐんぞく』とう、うんぬん、ぜんしゅうの、いわく、『きょうげ、べつでん、ふりゅう、もんじ』うんぬん。
きょうしゅしゃくそんは、ほけきょうをば、せそんのほうは、ひさしくして、のちに、かならず、まさにしんじつを、ときたもうべし、たほうぶつは、みょうほけきょうは、かいぜしんじつなり、じっぽうぶんしんのしょぶつは、ぜつそう、ぼんてんにいたるとこそ、みえてそうらうに、こうぼうだいしは、ほけきょうをば、けろんのほうとかかかれたり。
しゃくそん、たほう、じっぽうのしょぶつは、かいぜしんじつと、とかれてそうらう、いづれをか、しんじそうらうべき。
ぜんどうわじょう、ほうねんしょうにんは、ほけきょうをば、せんちゅうむいち、しゃへいかくほう、しゃくそん、たほう、じっぽうふんじんのしょぶつは、ひとつとして、じょうぶつせずということなし、みな、ぶつどうをじょうずとうんぬん、さんぶつと、どうわじょう、ねんしょうにんとは、すいかなり、うんでいなり、いずれをか、しんじそうらうべき、いずれをかすてそうらうべき。
なかんずく、かのどう、ねんりょうにんの、あおぐところの、そうかんきょうの、ほうぞうびくの、、しじゅうはちがんのなかに、だいじゅうはちがんに、いわく、『たとい、われ、ほとけをえるとも、ただ、ごぎゃくと、ひぼうしょうほうとをのぞく』と、うんぬん。
たとひ、みだの、ほんがんまことにして、おうじょうすべくとも、しょうほうを、ひぼうせむひとびとは、みだぶつのおうじょうには、のぞかれたてまつるべきか。
また、ほけきょうの、にのまきには、『もし、ひとぜしんざれば、そのひと、みょうじゅうして、あびごくにはいらん』と、うんぬん、ねんぶつしゅうに、せんとするどう、ねんのりょうにんは、きょうもんまことならば、あびだいじょうを、まぬかれたまふべしや。
かの、しょうにんの、じごくに、おちたまわせばまつがく、でし、だんななど、じねんに、あくどうにおちんこと、うたがいなかるべし。
これらこそ、ふしんにそうらへ、しょうにんは、いかんと、といたまはれしかば。 p1155
りゅうしょうにん、こたえていわく、じょうこのけんてつたちをば、いかでかうたがい、たてまつるべき、りゅうぞうなどが、ごとくなる、ぼんそうなどは、あおいで、しんじたてまつり、そうらうとこたへ、たまいしを、をしかえして、この、おおせこそ、ちしゃのおおせとも、おぼえずそうらへ。
だれびとか、ときのよに、あをがるる、にんしなどをば、うたがいそうらうべき、ただし、ねはんきょうに、ほとけさいごのごゆいごんとして、『ほうに、よってひとに、よらざれ』と、みえてそうらう。
にんしに、あやまりあらば、きょうによれと、ほとけは、とかれてそうらう、ごへんは、よも、あやまりましまさじと、もうされそうらう、ごぼうの、わたしのごと、ほとけのきんげんとくらべんには、さんみは、にょらいのきんげんに、つきまいらせむと、おもいそうらうなりと、もうされしを。
ぞうしょうにんは、にんしに、あやまりおおしと、そうらうは、いづれの、にんしにそうらうぞと、とはれしかば、かみにもうしつるところの、こうぼうだいし、ほうねんしょうにんなどのぎに、そうらはずやと、こたえたまい、そうらいしかば、ぞうしょうにんは、ああ、かないそうらうまじ、わがちょうの、にんしのことは、かたじけなくも、もんどうつかまつる、まじくそうらう。
まんざのちょうしゅう、みな、みな、そのながれにて、おわす、うっぷんも、しゅったいせば、さだめて、みだりがはしきこと、そうらいなむ、おそれあり、おそれありと、もうされしところに、さんみぼうの、いわく、にんしのあやまり、だれぞとそうらへば、きょうろんに、そむくにんしたちを、いだしそうらいし、はばかりあり。
かなふまじと、おおせそうらうにこそ、しんたいきはまりて、おぼえそうらへ、ほうもんともうすは、ひとをはばかり、よをおそれて、ほとけのときたまうが、ごとくきょうもんの、じつぎを、もうさざらんは、ぐしゃの、しごくなり。
ちしゃしょうにんとは、おぼえたまはず、あくほう、よにひろまりて、ひと、あくどうにおち、こくど、めっすべしとみへそうらはむに、ほっしのみとして、いかでか、いさめずそうらうべき。
しかれば、すなわち、ほけきょうには、『われ、しんみょうを、おしまず』、ねはんきょうには『むしろ、しんみょうを、うしなうとも』とう、うんぬん、まことのしょうにんにてをはせば、いかんが、しんみょうを、おしみて、よにも、ひとにも、おそれたまうべき。
げてんの、なかにも、りゅうほうと、いいしもの、ひかんと、もうせし、けんじんは、くびをはねられ、むねをさかれしかども、かのけつ、いんのちゅうをば、いさめてこそ、けんじんのなをば、ながしそうらいしか。
ないてんには、ふきょうぼさつは、じょうもくを、かほりししそんじゃは、こうべをはねられ、じくのどうしょうは、そざんにながされ、ほうどうさんぞうは、おもてに、かなやきを、さされて、こうなんに、はなたれしかども、しょうほうを、ひろめてこそ、しょうにんのなをば、え、そうらいしかと、なんぜられそうらいしかば。
りゅうしょうにんの、いわく、さるひとは、まつだいにはありがたし、われわれは、よをはばかり、ひとをおそるるものにてそうらう、さやうに、おおせらるるひととても、ことばのごとくには、よもをはしま、しそうらはじとそうらいしかば。 p1156
この、ごぼうは、いかでか、ひとのこころをば、しりたまうべき、それがしこそ、とうじ、にほんこくに、きこえたまう、にちれんしょうにんの、でしとしてそうらへ。
それがしが、ししょうの、しょうにんは、まつだいのそうにて、おわしそうらへども、とうせいの、だいめいそうのごとく、のぞんで、しょうゆうもせず、ひとをも、うたがはず、いささかことなる、あくめいもたたず。
ただ、このくにに、しんごん、ぜんしゅう、じょうどしゅうなどの、あくほう、ならびに、ほうぼうの、しょそうみち、みちて、かみいちにんを、はじめたてまつりて、しもばんみんにいたるまで、おきえあるゆえに。
ほけきょう、きょうしゅしゃくそんの、だいおんてきとなりて、げんぜには、てんじん、ちぎに、すてられ、たこくのせめにあひ、ごしょうには、あびだいじょうに、おちたまうべきよし、きょうもんにまかせてたてたまいしほどに、このこと、もうさば、だいなるあだあるべし、もうさずんば、ほとけのせめのがれがたし。
いはゆる、ねはんきょうに、『もし、ぜんびくあって、ほうをやぶるものをみて、おいて、かしゃくし、くけんし、こせしょずんば、まさにしるべし、このひとは、ぶっぽうのなかの、あだなり』とうと、うんぬん。
よに、おそれて、もうさずんば、わがみ、あくどうに、おつべきと、ごらんじて、しんみょうをすてて、いぬる、けんちょう、しかもゅうより、ことし、けんぢ、さんねんにいたるまで、にじゅうよねんが、あいだ、あえて、をこたることなし。
しかれば、わたしのなんは、かずをしらず、こくおうのかんきは、りょうどにおよびき、さんみも、ぶんえい、はちねん、ながつきじゅうににちの、かんきのときは、ぐぶの、ひとりにて、ありしかば、どうざいに、おこなはれて、くびを、はねらるべきにて、ありしは、しんみょうを、おしむものにて、そうらうかともうされしかば。
りゅうぞうぼう、くちを、とじて、いろをかえ、そうらいしかば、この、ごぼう、もうされしは、これほどの、おちえにては、ひとの、ふしんを、はらすべきよしの、おおせ、むように、そうらいけり。
くがんびく、しょういびくなどは、われ、しょうほうをしりて、ひとをたすくべきよし、ぞんぜられてそうらいしかども、わがみもでし、だんななども、むげんじごくにおちそうらいき。
ごほうもんの、ぶんざいにて、そこばくのひとをすくはむと、ときたまうがごとくならば、しだんともに、むげんじごくにやおちたまはんずらむ、きょうより、のちはかくのごとき、ごせつぽうは、おはからひあるべし。
かようには、もうすまじくそうらへども、あくほうを、もってひとを、じごくに、をとさんじゃしを、みながら、せめあらはさずば、かえって、ぶっぽうのなかの、あだなるべしと、ほとけのおんいましめ、のがれがたきうえ、ちょうもんの、じょうげ、みなあくどうに、をちたまはんこと、ふびんにおぼえそうらへば、かくのごとく、もうしそうらうなり。
ちしゃともうすは、くにの、あやうきを、いさめ、ひとのじゃけんを、もうしとどむるこそ、ちしゃにては、そうろうなれ。
これは、いかなる、ひがごとありとも、よのおそろしければ、いさめじと、もうされむうえは、ちからおよばず、それがしは、もんじゅのちえも、ふるなのべんせつも、せん、そうらはずとて、たたれたそうらいしかば、
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しょにん、かんきをなし、たなごころをあわせ、いましばらくごほうもん、そうらへかしと、とどめもうされしかども、やがて、かえりたまいおわんぬ。
このほかは、べちのしさいそうらはず、かつは、ごすいさつあるべし、ほけきょうを、しんじ、まいらせて、ぶつどうをねがひ、そうらはむものの、いかでか、ほうもんのとき、あくぎょうを、くわだてあっくを、むねとしそうらうべき。
しかしながら、おぎやうさく、あるべくそうらう、そのうえ、にちれんしょうにんの、でしと、なのりぬるうえ、まかりかえりても、ごぜんにまいりて、ほうもん、もんどうのよう、かたりもうしそうらいき。
、また、そのあたりに、よりもと、しらぬものそうらはず、ただ、よりもとをそねみそうらうひとの、つくりごとにて、そうらうにや、そうそう、めしあわせられんとき、その、かくれあるべらずそうらう。
また、おおせくださるる、じょうにいわく、ごくらくじの、ちょうろうは、せそんの、しゅっせと、あおぎたてまつると、このじょう、なん、かむの、しだいに、おぼえそうらう。
のそゆえは、にちれんしょうにんは、みきょうに、とかれてましますがごとくば、くじょうにょらいの、おつかい、じょうぎょうぼさつの、すいじゃく、ほっけほんもんの、ぎょうじゃ、ごのごひゃくさいの、だいどうしにて、ござそうらう。
しょうにんを、くびをはねらるべきよしの、しもうしじょうを、かきて、さつざいに、もうしおこなはれそうらいしが、いかがそうらいけむ、、しざいをやめて、さどのしままで、おんるせられそうらいしは、りょうかんしょうにんの、しょぎょうにそうらはずや。
その、そじょうは、べっしに、これあり、そもそも、いきぐさをだにきるべからずと、ろくさい、にちやせっぽうに、たまわれながら、ほっけしょうほうを、ひろむるそうを、だんざいに、おこなわるべき、むね、もうしたてらるるは、じごそういに、そうらはずや、いかん。
このそう、あに、てんまのいれる、そうにそうらはずや、ただし、このことの、おこりは、りょうかんぼう、つねのせっぽうに、いわく。
にほんこくの、いっさいしゅじょうを、みな、じさいになして、はちさいかいを、もたせて、くにじゅうの、せっしょう、てんかの、さけをとどめむとする、ところに、にちれんぼうが、ほうぼうに、さえられて、このねがい、かないがたきよし、なげきたまいそうろう、あいだ。
にちれんしょうにん、このよしを、ききたまいて、いかがしてかれが、おうわくの、だいまんしんを、たをして、むげんじごくの、だいくをたすけむと、おおせありしかば、よりもとらは、この、おおせ、ほけきょうの、おんかたうど、だいじひのおおせにては、そうらへども。
とうじ、にほんこく、べっしてぶけ、りょうしょくのよ、きらざるひとにて、をはしますを、たやすくおおせあること、いかがとでしども、どうくに、れしおそれもうしそうらいしほどに。
いぬる、ぶんえい、はちねん、たいさい、かのとひつじ、みなつきじゅうはちにち、だいかんばつのとき、かの、ごぼう、きうのほうを、おこないてばんみんを、たすけんともうしつけそうらうよし。
にちれんしょうにんききたまいて、これていは、しょうじなれども、このついでに、にちれんが、ほうけんを、ばんにんにしらせばやとおおせありて、りょうかんぼうのところへ、つかはすにいわく、なぬかのうちに、ふらしたまはば、にちれんが、ねんぶつむげんともうす、ほうもんすてて、りょうかんしょうにんの、でしとなりて、にひゃくごじゅっかい、たもつべし。
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あめふらぬほどならば、かのごぼうの、じかいげなるが、だいおうわくなるは、けんねんなるべし。
じょうだいも、あまごいにつけて、しょうぶをけっしたる、ためしこれおおし、いわゆる、ごみょうと、でんきょうだいしと、しゅびんと、こうぼうなり。
よって、りょうかんぼうの、ところへ、すおうぼう、いるさわのにゅうどうともうす、ねんぶつしゃを、つかわす。
ごぼうと、にゅうどうは、りょうかんが、でし、また、ねんぶつしゃなり、いまに、にちれんが、ほうもんを、もちうることなし、これをもって、しょうぶとせむ。
なのかのうちに、あめふるならば、もとのはちさいかい、ねんぶつをもって、おうじょうすべしとおもうべし。
また、ふらずば、にいっこう、ほけきょうになるべしと、いはれしかば、これらを、よろこびて、ごくらくじの、りょうかんぼうに、このよしを、もうしそうらいけり。
りょうかんぼう、よろこびないて、なのかのうちに、あめふらすべきよしにて、でし、ひゃく、にじゅうよにん、こうべより、けむりをいだし、こえを、てんにひびかし。
あるいは、ねんぶつ、あるいは、しょううきょう、あるいは、、ほけきょう、あるいは、はちさいかいを、ときて、しゅじゅに、きしょうす。
しごにちまで、あめのけなければ、たましゐをうしいて、たほうじの、でしなど、すうひゃくにんよびあつめて、ちからをつくしいのりたるに、なのかのうちに、つゆばかりも、あめぬらず、そのとき、にちれんしょうにん、つかいをつかわすこと、さんどにおよぶ。
いかに、いずみしきぶといいし、いんにょ、のういんほっしともうせし、はかいのそう、きょうげんきごの、みそひともじをもって、たちまちちに、ふらせしあめを。
じかい、じりつの、りょうかんぼうは、ほっけ、しんごんの、ぎりをきわめ、じひだいいちと、きこへたまう、しょうにんの、すうひゃくにんの、しゅうとを、ひきいて、なのかの、あいだに、いかにふらしたまはぬやらむ。
これをもって、おもひたまへ、いちじょうの、ほりをえざるこもの、にじょうさんじょうの、ほりをこえてんや、やすき、あめをだに、ふらしたまはず、いわんやかたき、おうじょうじょうぶつをや。
しかれば、いまよりは、にちれん、みうあだみたまう、じゃけんをば、これをもって、ひるがえしたまへ、ごしょうをそろしく、をぼしたまはば、やくそくのままに、いそぎきたいたまへ、あめ、ふらす、ほうと、ほとけになるみちを、おしへたてまつらむ、なぬかのうちに、あめこそふらしたまはざらめ。
かんばつ、いよいよ、こうじょうに、はっぷう、ますます、きりふきかさなりて、たみのなげき、いよいよ、ふかし。
すみやかに、そのいのり、やめたまへと、だいしちにちのさるのとき、ししゃ、ありのままにもうすところに、りょうかんぼうは、なみだをながすでし、だんなおなじく、こえをおしまず、くちおしがる、にちれん、ごかんきをこうむるとき、このことおんたずねありしかば、ありのままにもうしたまいき。
しかれば、りょうかんぼう、みのうえの、はじをおもはば、あとをくらまして、さんりんにも、まじはり、やくそくのままに、にちれんがでしともなりたらば、どうしんの、すこしにてもあるべきに、さはなくして、むじんの、ざんげんをかまえて、さつざいに、もうしおこなはむと、せしは、とうときそうかと、にちれんしょうにんかたりたまいき。
また、よりもと、みききそうらいき、たじに、おいては、かけはくも、しゅくんのおんこと、れりおそれいりそうらへども、このことは、いかにおもいそうらうとも、いかでかと、おもはれそうらうべき。 p1159
おおせくだしのじょうに、いわく、りゅうぞうぼう、ごくらくじのちょうろう、けんざんのあとは、しゃか、みだとあをぎたてまつると、うんぬん、このじょう、また、おそれいりそうらう。
かの、りゅうぞうぼうは、らくちゅうにして、ひとのこつにくを、あさゆうのじきもつとするよし、ろけんせしむるのあいだ、さんもんのしゅうと、ほうきして、よ、まつだいにおよびて、あっき、くにじゅうに、しゅつげんせり。
さんのうのおちからを、もって、たいじをくわえむとて、じゅうしょを、しょうしつし、そのみを、ちゅうせばつ、せむとするところに、じねんに、とうしつし、ゆくえをしらざるしところに、たまたま、かまくらのなかに、また、ひとのにくをくらうのあいだ、じょうあるひと、くふせしめて、そうらうに、ぶつ、ぼさつと、おおせたまうこと、しょじゅうのみとして、いかでか、しゅくんの、おんあやまりを、いさめもうさずそうろうべき、みうちの、をとなしきひとびと、いかにこそぞんじそうらへ。
おなじき、くだしじょうに、いわく、ぜひにつけて、しゅしんのしょぞんには、あい、したがはんこそ、ぶっしんの、みょうにも、せけんのれいにも、てほんとうんぬん。
このこと、さいだいいちの、だいじにてそうらへば、わたしのもうしじょう、おそれいりそうらう、あいだ、ほんぶんを、ひくべくそうらう。
こうきょうにいわく、「こもって、ちちにあらそわずんばあるべからず、しんもって、くんに、あらそわずんば、あるべからず」、ていげんくいわ、「くんぷ、ふぎあらんに、じんしいさめざるは、すなわち、ぼうこく、はけのみちなり」、しんじょにいわく、「しゅの、ぼうをいさめざれば、ちゅうしんにあらざるなり、しをおそれて、いわざるは、ゆうしにあらざるなり」。
でんぎょう、だいしいわく、「およそ、ふぎにあたっては、すなわち、こもって、ちちにあらそわずんば、あるべからず、しんもってくんに、あらそわずんばあるべからず、まさにしるべし、くんしん、ふし、していもって、しにあらそわずんばあるべからず」もん。
ほけきょうにいわく、「われ、しんみょうをおしまず、ただむじょうどうを、おしむ」もん、ねはんきょうにいわく、「たとえば、おうのつかいのぜんのうだんろんし、ほうべんに、たくみにして、いのちを、たこくにほうずるに、むしろしんみょうを、うしなうとも、ついに、おうのしょせつの、げんきょうを、かくさざるがごとし、ちしゃもまた、しかり」もん。
しょうあん、だいしいわく、「むしろ、しんみょうを、うしなうとも、きょうをさかくざれとは、みはかるくほうはおもし、みを、しして、ほうをひろむ」もん。
またいわく、「ぶっぽうを、えらんするは、ぶっぽうのなかの、あだなり、じなくしていつわりしたしむは、すなわち、これ、かれがあだなり、よくきゅうじするものは、かれのために、あくをのぞくは、すなわちこれ、かれがおやなり」もん。
よりもとをば、ほうばいこそ、ぶれいなりと、おもはれそうやらめども、よのことにをきそうらいては、ぜひ、ふぼしゅくんの、おおせにしたがいまいらせそうらうべし。
それにとて、じゅうおんのしゅの、あくほうのものに、たぼらかされ、ましまして、あくどうに、おちたまはむを、なげくばかりなり。 p1160
あじゃせおうは、だいばろくしを、しとして、きょうしゅしゃくそんを、てきとせしかば、まかだこく、みなぶっきょうの、てきとなりて、じゃおうの、けんぞく、ごじゅう、はちまんにん、ぶつでしを、てきとするなかに、ぎばだいじんばかり、ほとけのでしなり。
だいおうは、かみの、よりもとを、おぼすめすがごとく、ぶつでしたることを、おこころよからず、おぼしめしかども、さいごには、ろくだいじんの、じゃぎをすてて、ぎばが、しょうほうにこそ、つかせたまい、そうらいしが、そのごとく、おさいごをば、よりもとや、すくいまいらせ、そうらはんずらむ。
このごとく、もうさしめそうらへば、あじゃせは、ごぎゃくざいの、ものなり、かれにたいするかと、おぼしめしぬべし。
おそれにては、そうらへども、かれには、ひゃく、せんまんばいのじゅうざいにて、おわすべしと、みきょうのもんには、けんねんに、みえさせたまいてそうらう。
いわゆる、「いま、このさんがいは、みなこれ、わがうなり、そのなかの、しゅじょうは、ことごとく、これ、わがこなり」、もん。
もんのごとくば、きょうしゅしゃくそんは、にほんこくの、いっさいしゅじょうの、ふぼなり、ししょうなり、しゅくんなり、あみだぶつは、このみっつのぎ、ましまさず。
しかるに、さんとくの、ほとけを、さしおいて、たぶつを、ちゅうやちょうせきに、しょうみょうし、ろくまん、はちまんの、みょうごうを、となえまします、あに、ふこうのごしょさに、わたらせたまはずや。
みだの、ねがいも、しゃかにょらいの、とかせたまいしかども、ついに、くひかえしたまいて、ゆいがいちにんと、さだめたまいぬ。
そのごは、まったく、ふたりさんにんと、みえそうらはず、したがって、ひとにもふぼににんなし、いずれのきょうに、みだは、このくにの、ちち、いずれのろんに、ははたるむね、みへてそうらう。
かんぎょうなどの、ねんぶつのほうもんは、ほけきょうを、とかせたまはむための、しばらくの、しつらひなり、とうくまむための、あじろのごとし。
しかるを、ぶっぽうなれば、しじゅうあるべしと、おもうひと、だいびゃくあんなり、とうたててのち、あじろを、とうとぶほどの、はかなきものなり。
またひよりも、ほしはあきらかともうすものなるべし、このひとを、きょうにといていわく、「また、きょうしょうすと、いえども、しかもしんじゅせず、そのひと、みょうじゅうして、あびごくにはいらん」。
とうせ、にほんこくの、いっさいしゅじょうの、しゃかぶつを、なげうって、あみだぶつを、ねんじほけきょうを、なげうって、かんぎょうなどを、しんずるひと、あるいは、かくのごとき、ほうぼうのものを、くようせむ、ぞくなん、ぞくにょなど、ぞんがいに、ごぎゃく、しちぎゃく、はちぎゃくの、つみを、をかせるものを、ちしゃと、かつごうする、もろもろの、だいめいそう、、ならびに、こくしゅなどなり。
にょぜてんてん、しむすうこうとは、これなり、かくのごとき、ひがごとを、なまじゐに、うけたまわりて、そうらうあいだ、ついでをもって、もうせしめそうらう。
みやずかえを、つかまつるもの、じょうげありともうせども、ぶんぶんにしたがって、しゅくんを、おもんぜざるはそうらはず、かみのおんため、げんぜ、ごしょう、あしくわたらせたまうべきことを、ひそかにもうけたまわりて、そうらはむに、ほうばい、よにはばかりて、もうしあげざらむは、よどうざいにこそ、そうらいまじきか。 p1161
したがって、よりもとは、ふしにだい、いのちをきみに、まいらせたること、けんねんなり、こ、しんふ、なかつかさぼう、こ、きみの、ごかんき、かふらせたまいけるとき、すうひゃくにんの、みうちのしんら、こころかはりしそうらいけるに、なかつかさひとり、さいごのおんくぶして、いずのくにまで、まいりてそうらいき。
よりもとは、いぬるぶんえい、じゅういちねん、きさらぎじゅうににちの、かまくらの、かっせんのとき、おりふし、いずのくにに、そうらいしかば、とおかのさるのときに、うけたまわりて、ひとり、はこねやまを、いちどきに、はせこえて、ごぜんに、じがいすべき、はちにんのうちに、そうらいき。
じねんに、よしづまりそうらいしかば、いまに、きみもあんのんにこそ、わたらせたまいそうらへ、じらい、だいじ、しょうじに、つけて、みこころやすきものにこそ、おもいふくまれてそうらう。
よりもとが、いまさら、いかにつけて、そえんにおもいまいらせそうらうべき、ごしょうまでも、ずいじゅうし、まいらせて、よりもと、じょうぶつしそうらはば、きみをも、すくひまいらせ、きみ、じょうぶつしましまさば、よりもとも、たすけられ、まいらせむと、こそ、ぞんじそうらへ。
それにつひて、しょそうのせっぽうを、ちょうもんつかまつりて、いずれか、じょうぶつのほうと、うかがひそうらうところに、にちれんしょうにんの、ごぼうは、さんがいのしゅ、いっさいしゅじょうの、ふぼ、しゃかにょらいの、おんつかい、じょうぎょうぼさつにて、おはしそうらいけることの、ほけきょうにとかれて、ましましけるを、しんじまいらせたるに、そうらう。
いまこそ、しんごんしゅうと、もうす、あくほう、にほんこくに、わたりて、よんひゃく、よねん、いぬる、えんりゃくにじゅうよねんに、でんきょうだいし、にほんこくに、わたしたまいたりしかども、このくにに、あしかりなむと、おぼしめしそうらうあいだ、しゅうのじ、をゆるさず。
てんだい、ほっけしゅうの、ほうべんとなしたまいおわんぬ、そののち、でんきょうだいし、ごにゅうめつのついでを、うかがひて、こうぼうだいし、でんぎょうに、へんしゅうして、しゅうのじを、くわえしかども、えいざんは、もちうることなかりしほどに、じかく、ちしょう、たんさいにして、ふたりの、みは、とうざんにいながら、こころは、とうじのこうほうに、どういするかのゆえに、わがだいしには、そむいて、はじめて、えいざんに、しんごんしゅうをたてぬ。
にほんぼうこくの、おこり、これなり、じらい、さんびゃくよねん、あるいは、しんごんすぐれ、ほっけすぐれ、いちどうなむど、じょうろん、こときれざりしかば、おうほうも、さゆうなく、つきざりき。
にんのう、しちじゅう、しちだい、ごしらかわほうおうの、ぎょうに、てんだいのざすみょううん、いっこうに、しんごんのざすになりしかば、みょううんは、よしなかに、ころされぬ、ずはさしちぶん、これなり。
だいはちじゅう、にだい、おきほうおうの、おんとき、ぜんしゅう、ねんぶつしゅう、しゅったいして、しんごんのだいあくほうに、くわえて、こくどにるふせしかば、てんしょうだいじん、しょうはちまんの、ひゃくおう、ひゃくだいの、おちかいやぶれて、おうほうすでにつきぬ。
かんとうの、ごんのたゆう、よしときに、てんしょうだいじん、しょうはちまんの、おはからいとして、こくむを、つけたまい、おわんぬ。
ここに、かのみっつの、あくほう、かんとうにおちくだりて、ぞんがいにおきえあり。 p1162
ゆえにぼんしゃく、にてん、にちがつ、してん、いかりをなし、せんだい、みうのてんぺん、ちようを、もって、いさむれども、もちいたまはざれば、りんこくにおおせつけて、ほけきょう、ひぼうのひとを、ちばつしたまうあいだ、てんしょうだいじん、しょうはちまんも、ちからおよびたまはず。
にちれんしょうにん、いちにん、このことを、しろしめせり。
かくのごとき、げんじゅうの、ほけきょうにて、をはしてそうらうあいだ、しゅくんをも、みちびきまいらせむと、ぞんじそうらうゆえに、むりょうの、しょうじをわすれて、いまにつかわれまいらせそうらう。
よりもとを、ざんげんもうすじんは、きみのおんため、ふちゅうのものに、そうらはずや、みうちを、まかりいでてそうらうはば、きみ、たちまちに、むげんじごくに、おちさせたまうべし、さては、よりもと、ほとけになりそうらいても、かいなしとなげき、ぞんじそうらう。
そもそも、かのしょうじょうかいは、ふるなと、もうせし、だいあらかん、しょてんのために、にひゃく、ごじゅっかいを、ときそうらいしを、じょうみょうこじ、たんじていわく、「えじきをもって、ほうきにおくことなかれ」とう、うんぬん。
おうくつまらは、もんじゅをかしゃくし、ああ、もんぜいのぎょうは、だいじょう、くうのりをしらずと、またしょうじょうかいをば、もんじゅは、じゅうしちのとがを、いだし、にょらいは、はちしゅの、ひゆをもって、これを、そしりたまうに、ろにゅうと、とき、がまにたとえられたり。
これらをば、がんじんの、まつでしは、でんきょうだいしをば、あっくのひととこそ、さがてんのうには、そうしもうしそうらいしかども、きょうもんなれば、ちからおよびそうらはず。
なんとの、そうじょうやぶれて、えいざんのだいかいだんたちそうらいしうえは、すでに、すてられそうらいし、しょうじょうにそうらはずや。
よりもとが、りょうかんぼうを、かあぶ、がまのほっしなりと、もうすとも、きょうもんふんみょうに、そうらはば、おんとがめあるべからず。
あまつさへ、きしょうに、およぶべきよし、おおせを、こうむるのじょう、ぞんがいになげきいりて、そうらう。
よりもと、ふほうじ、やまいにて、きしょうを、かきそうらうほどならば、きみ、たちまちに、ほけきょうのおんばちを、こうむらせたまうべし。
りょうかんぼうが、ざんそによりて、しゃかにょらいの、おつかい、にちれんしょうにんを、るざいしたてまつりしかば、しょうにんのもうしたまいしがごとく、ひゃくにちがうちにかっせんしゅったいして、そこばくのむしゃ、めつぼうせしなかに、なごえの、きんだち、おうしに、あはせたまいぬ。
これ、ひとえに、りょうかんぼうが、うしなひたてまつりたるに、そうらはずや。
いままた、りゅうぞう、りょうかんが、こころに、よういせさせたまいて、よりもとに、きしょうを、かかしめお わさば、きみ、また、そのつみに、あたらせ、たまはざるべしや。
かくのごとき、どうりをしらざるゆえか、また、きみを、あだしたてまつらむと、おもうゆえか、よりもとに、ことをよせて、だいじをいださむと、たばかりそうらう。
ひとら、おんたずねあって、めしあわせらるべくそうらう。
きょうこう、きんげん。
けんじ、さんねん、ひのとうし、みなつきにじゅうごにち
しじょう、なかつかさのじょう、よりもと、しょうもん
たいごう 、しじょう、きんご。
しゅくん、えましへの、ちんじょうを、しじょう、きんごにかわって、しっぴつ。