2016年12月13日 投稿者:まなこ 投稿日:2016年12月13日(火)09時08分12秒 通報 【池田】 欺瞞的で不適切な例は除いたとしても、なお特異現象を引き出さなければどうしても説明できないものもあることは事実です。この意味から、私は、超心理学を一概に否定し去ることはできないと思っています。かつてはサギであって科学ではないといわれた催眠術が、今日では心理療法の有力な武器となっていることなどは、その一つの実例です。ただし、超心理学の所説を受け入れるにあたっては、厳密な検証を加えることを忘れてならないのは、いうまでもありません。 この超心理学からさらに進んで、いわゆる霊魂の存在を考える心霊論があります。これは、もはや実証的な科学の行き方とはまったく違って、一種の信仰ともいうべきものになっています。 このような人間心理へのアプローチについては、博士はどうお考えでしょうか。 【トインビー】 私は、観察しうる現象は、すべて常態現象であると信じています。いわゆる超心理学の研究対象として超常現象と呼ばれているものも、実際には常態現象にすぎないと私はみています。ただ、この類いのものは、きわめて稀有な現象であるか、さもなければ、ありふれてはいても西洋では最近まで看過され、無視されてきた現象であるかのどちらかなのです。 私自身、これまでにテレパシーの例を直接に見たことがありますが、これはたしかに本物でした。私の想像では、あらゆる生物はみな、互いにテレパシー的な方法で交感し合って生きてきたのでしょう。また、人類についても、言語が発明されてよりこのかた、話し言葉や書いた言葉だけではなしに、テレパシー的な方法によっても互いにコミュニケートを続けているのではないかと思うのです。 Tweet