投稿者:寝たきりオジサン 投稿日:2016年12月 9日(金)12時40分56秒   通報
~わが愛する王子王女に贈る~

第22回夢のつばさを広げよう

きびしい寒さが続いています。みんな、風邪などひいていないかな。私は
、小さいころ、体が弱くて苦労したから、みなさんが健康で、じようぶに育
ってくれるように、毎日毎日、真剣に祈っています。まもなく2月11日。

私の人生の師匠・戸田城聖先生のお誕生日です。寒い北国の石川県に生まれ
、北海道で育った戸田先生は、「冬にきたえよう!」と言われていました。
少年少女を、「冬は、引っこみ思案になって過ごす時ではない。きりっとし
た、身のしまるような気候の中で、春にそなえて活力をたくわえる時である
」とはげまされたこともあります。進級や卒業の時を迎える春は、もうすぐ

そこまで来ています。どうか、寒さに負けず、一日一日を元気いっぱいに楽
しく前進していってください。***今月は、ロシアのソチで冬のオリン
ピックが開幕します。6月には、ブラジルでサッカーのワールドカップもは

じまります。さらに6年後の2020年には、オリンピック・パラリンピッ
クが、東京で開かれます。信濃町の創価学会の総本部のすぐ側に新・国立競
技場が築かれ、中心の会場になります。今の未来部のみなさんの中からも、
きっと出場する人が出るでしょう。大好きなスポーツの道で、世界の大舞台

へ躍り出ることを夢見て、チャレンジしている友もいると思います。「夢」
は希望です。「夢」は力です。現在のオリンピック(近代オリンピック)も
、古代のギリシャで行われていたスポーツの祭典を復活させたいという「夢
」から生まれたものです。「夢」が未来を開いてきたのです。

***みなさんは、人類で最初に宇宙飛行の夢をかなえた人はだれか、
知つていますか?そう、1961年、宇宙船ボストークー号から「地球は青かった」
という有名な言葉を発した、ロシアのガガーリンです。日本を訪れた時、
子どもたちにも、宇宙から見た地球は「やわらかい大風船のような感じでした。

青い光にかこまれて、ほんとにきれいでした」と語り、大宇宙への夢を広げて
くれました。このガガーリンが大空へのあこがれをいだいたのも、みなさんと
同じ小学生の時です。飛行機のパイロットとの出会いから、夢をふくらませて
いったのです。しかし、夢の実現は、遠く、けわしい道のりでした。

家がまずしかったので、働きながら夜の学校に通い、また図書館から本を借り
て、学び続けたのです。苦労の連続でも、心は楽しく、はずんでいました。
いつの日か、空を飛んでみせる──その大きな夢を忘れなかったからです。
自分で自分に″きっと夢はかなえられる″と言い聞かせて、はげましていた
のです。

戸田先生は、夢は「大きすぎるくらいで、ちょうどよい」と言われました。
なぜか?はじめから小さな夢では、何もできないで終わってしまうからです。
未来の「夢」と、今の自分を比べてみると、まるで地球と宇宙の果てまで
ぐらい、遠くはなれていると思えることがあるかもしれません。

でも、みなさんは、すごいロケットをもっています。「努力」という生命の
ロケットです。このロケットが、夢へ向かって、みなさんを運んでくれるの
です。毎日の学校の勉強も、全部が、この「努力ロケット」の燃料になります。

ガガーリンが、学校の先生から教わって大切にした信念があります。それは
「成功は勇気のある人間にあたえられる」でした。夢をかなえるためには、
「勇気」をもつことです。「やってみよう」と思って、挑戦の一歩をふみ出す
勇気です。そして、思うようにいかないことが立ちはだかっても、へこたれず
、あきらめず、努力をつらぬいていく勇気が、勝利の道を開くのです。***

私も、子どものころから、いっぱい夢がありました。一つは、本を読むこと、
文を書くことが好きだったので、新聞記者になりたい。さらに、みんなに勇気
と希望をおくる物語を書き残したいと思いました。また、暗い戦争の時代
だったので、日本中の駅に桜の木を植え、花を咲かせて、みんなの心を明るく
晴れやかにしたいという夢もありました。

戸田先生とお会いして仏法にめぐりあったのは、19歳の時です。戦争を起こ
した権力と勇敢に戦いぬいてきた戸田先生には、大きな大きな夢がありました。
それは、「この世から、一切の不幸と悲しみをなくす」。そして「世界中の人
に幸せをもたらし、平和をつくる」こと。すなわち、広宣流布という夢です。

そのすばらしい夢を、私は大好きになりました。いつしか、先生と同じ「夢」
を実現することが、自分の夢になっていったのです。この広宣流布という何
よりも大きな夢をめざして、けんめいに努力し、題目を唱えていく中で、
ふしぎなことに、子どもの時の夢も、一つ一つかなえていくことができました。

「新聞記者」の夢は「聖教新聞」を発行することで──。「物語」の夢は小説
『人間革命』『新・人間革命』を執筆することで──。そして「桜」の夢は、
日本と世界の各地への「桜の植樹」となって実りました。たとえ、夢がすぐに
実現しなくても、祈って努力したことが、あとになって、必ず生きてくるのが、

題目の力なのです。***子どもたちの幸福のための学校をつくることも、戸
田先生の大きな夢でした。それは、戸田先生が、師匠の牧口常三郎先生から受け
継がれた夢でもありました。そして「私の時にできなければ、大作、頼むぞ」と、

私に夢のバトンを託されたのです。その夢をかかげて創立したのが、創価学園、
創価大学・創価女子短期大学、そしてアメリカ創価大学です。創価幼稚園も、
札幌をはじめ世界の各地に誕生しています。創価の「平和」と「文化」と「教育」
の連帯を、世界192力国・地域に開いてきました。

牧口先生・戸田先生の夢を、一つ一つ、みなさんのおじいさんやおばあさん、
お父さんやお母さん方と実現してきたのです。師匠と弟子の一体の夢を見つめて、
私はここまで元気に挑戦を続けてきました。これからは、みなさんが思いきり
夢を実現してくれることが、私の一番の夢です。

***みなさんには、自分にしかできない夢が必ずあります。今は見つからなく
ても、目の前の課題に真剣に取り組んでいけば、自分が本当にやりたいと思う
ことが、必ず見つかります。未来には、君が、あなたが、思う存分、活躍できる
使命の舞台が待っています。みなさんの中から、偉大な教育者も科学者も文豪も、

大政治家も大実業家も、大スポーツ選手も大芸術家も、ありとあらゆる分野の力
ある人材が育っていくでしょう。そう思うと、私の胸は躍ります。どうか、大きな
心で、大きな夢を広げてください。前に進む限り、夢の世界は無限に広がります。
さあ、自分にしかない「夢のっぽさ」を大きく広げて、希望の大空へ飛び立とう!!——————————–

※ガガーリンについては、小学館発刊「中学生の友二年」1962年8月号の記事、
ガガーリン著「地球は青かった」岸田純之助訳(『少年少女20世紀の記録』あ
かね書房、所収)。