2016年6月17日 投稿者:大仏のグリグリのとこ 投稿日:2016年 6月17日(金)17時25分3秒 通報 編集済 大聖人は身延にご供養の品々をもって訪れた弟子(西山殿)たちに、この修利槃特の故事を通して 「あなた方は、どのような過去世の善根で日蓮を訪ねられるのであろうか。 よくよく過去をお尋ねになれば、なにはともあれ、この度は生死の迷いを離れることができるであろう。 修利槃特は三年間に十四字すら暗唱できなかったけれども仏になった。 提婆達多は六万蔵を暗唱したけれども無間地獄に堕ちた。 このことはひとえに末代の今の世のことを表しているのである。 決して他人事と思ってはならない。申し上げたいことは多くあるがここで止めておく(通解)」 (御書一四七二頁)と指導しました。 この御文の重要なポイントは「弟子同士の相対」です。 つまり、釈尊の二人の弟子である 修利槃特は「三年間に十四字すら暗唱できなかったけれども仏になった」のに対して、 提婆達多は「六万蔵を暗唱したけれども無間地獄に堕ちた」という修利槃特と提婆達多の相対です。 これを聞いた皆さんは、 「ああ~、自分はバカでよかった。これで自分も成仏できるぞォ~」と安心してはいけません。 問題は、なぜ修利槃特が仏になれたのか、 なぜ修利槃特は最終的に十四文字を覚えることが出来たのかということです。 法句譬喩経によれば、釈尊が舎衛国にいた時、修利槃特が新たな釈尊の弟子になりました。 しかし彼は、判断力がなく、理解力がなく、頭が悪く、のろまで・・・・等々、愚鈍な性質で、 他の阿羅漢が三年にわたって日々「一偈」を修利槃特に教えたが、 ただの一偈も暗誦することができなかったと説いています。 そして、国中の人々に修利槃特の愚鈍が知れ広まったとあります。 師匠である釈尊はこのことを哀れんで彼を前に呼び、 何を教えても、どう教えても覚えられない修利槃特に十四文字だけを教えました。 その十四文字とは 「守口摂意身莫犯 (口を守り意を摂(おさ)め身非を犯すこと莫れ)」 「如是行者得度世 (是の如く行ぜば世を度する事を得)」です。 つまり「身・口・意」で悪業を積まないようにしなさい。 そして、言われるままに修行していけば、成仏する事が出来ますよと教えたのです。 その結果、彼は師匠の言う通り素直に実践して、 後に説かれた法華経(五百弟子受記品第八)で、修利槃特は成仏し〝普明如来〟の記別を受けています。 Tweet