投稿者:信濃町の人びと   投稿日:2015年 6月 2日(火)16時10分35秒     通報
池田大作全集78巻より
青年部・教学部代表協議会 (1991年9月20日)④

■「法師」とは正法弘通の在家

さて諸天善神については、これまでも何度かお話しした(昭和六十二年八月二十七日、杉並区幹部会など)。本日は、その基本の上に、少々、申し上げておきたい。

それは、諸天善神とは、決して、遠くの何か特別な存在のみをいうのではない。むしろ、最も身近な学会の同志こそ、最も大切にし、感謝すべき諸天善神の働きをしている、ということである。

大聖人は、伊豆流罪のさい、大聖人を助けられた船守弥三郎夫妻に、こう感謝のお手紙を書かれている。

「法華経第四に云く「及清信士女供養於法師」と云云、法華経を行ぜん者をば諸天善神等或は をとこ男 となり或は女となり形をかへ さまざま様様 に供養して たす助 くべしと云う経文なり」

――「法華経の第四の巻(法師品)に『(もしも釈尊滅後に法華経を弘める者〈法師〉があれば、釈尊が僧侶や尼)および在家の男女を使いとし、この弘通者を供養させる』うんぬんとある。これは法華経を行ずる者を、諸天善神等が、あるいは在家の男となり、あるいは在家の女となり、形をかえて、さまざまに供養して必ず助けるという経文である――。

「法師」とは、別しては大聖人、総じては門下である。法華経を正しく信じ、行ずる人を諸天善神らが形をかえて守ってくれるとの仰せである。

「御義口伝」には、「今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る者は法師の中の大法師なり」

――今、日蓮とその弟子・檀那らの、南無妙法蓮華経と唱える者は、法師のなかの大法師である――とある。

もちろん、在家も含めて、「法師」である。それは法華経法師品でも明確である。

すなわち「若し是の善男子、善女人、我が滅度の後、能く竊に一人の為にも、法華経の、乃至一句を説かん。当に知るべし。是の人は則如来の使なり」(開結三八六ページ)と。

――もしもこの善男子、善女人、仏滅後において、よくひそかに一人のためにも法華経の一句(元意は南無妙法蓮華経)でも説く人は、よく知りなさい、この人は如来の使いである――

と説かれている。
ここでは明らかに「善男子、善女人」とある。くわしくは略させていただくが、在家を表とした言い方である。このことに着目して、「法華経における在家の存在の大きさ」を論ずる学者もいる。

法師品の冒頭では、諸天、比丘(僧)、比丘尼と並んで、「優婆塞」(在家の男性)、「優婆夷」(在家の女性)が、求道の人として同様に登場する。

次いで、これらの人々が、在世、滅後に、法華経を受持し、読誦(経文を読み、暗誦すること)し、解説(他人に説き聞かせること)し、書写して修行する姿が示される。

このように、受持、読、誦、解説、書写の「五種の妙行」を行う人は、「五種法師」と呼ばれる。ここには、出家、在家の差別はない。経文のとおりの実践をするかどうかが、「法師」の要件である。

著名な仏教学者・岩本裕氏は、法華経に説かれる「法師」について、次のように述べている。

「われわれは法師すなわち僧を考えるが、そうではない。仏教では一般に、仏・求法者および大弟子たちは深甚微妙の法を知り、これを演説するが故に法師といい、われわれが現在『法師』という語にもつイメージでも、例えば西行法師と言うように、『出家者』であり、『僧』である。

ところが、『法華経』では異なるのである。『法華経』を信奉して、読んだり、誦したり、解説したり、あるいは書写したりする人を『法師』と呼んでいる」(『法華経』坂本幸男・岩本裕訳注、岩波文庫)

また、「五種の妙行」と並んで、法師の修行として、法華経への十種供養が説かれる。その一つに「伎楽」(舞や音楽)を演じて法華経を讃嘆することが説かれている。

元来、出家者には、舞や音楽を見物することすら戒律で禁じられていたのであるから、これは明らかに在家の修行であろう。この点からも、正法弘通の「法師」として在家が活躍していたことがうかがえる。法華経では″出家の優位″など説かれていないのである。

大乗仏教の真髄である大聖人の仏法でもまた、現実に悪と戦い、法を弘めている人こそ、「法師」であり「如来の使」とされる。

そして、「諸天善神等・男女と顕れて」と仰せのように、この″如来の使い″を守るために、諸天等が在家の男女として顕れるのである。

学会員は、一次元からいえば、みずからも″如来の使い″であり、同時に同志を守る諸天善神の働きをもしている。まことに尊貴なる方々である。

ともあれ、外の権威には弱く、内には強い

――外には言うべきことも言わず、卑屈にへつらって、あなどられ、内の信仰者に対してはすぐに威張るというのでは、まったく本末転倒である。

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