投稿者:信濃町の人びと  投稿日:2015年 1月27日(火)21時34分45秒    通報
如来神力品(第二十一章)より抜粋

 

 

池田 本当の人間性が、本当の仏法です。それ以外にない。あの周恩来総理は、「部落解放同盟」の代表が中国を訪問されたとき(一九六二年)、何と言われたか。団長が、多忙な総理が時間を割いてくれたことに感謝を述べると、こう言われたのです。

「何をいいますか。日本の中でいちばん虐げられ、いちばん苦しんでいる人たちが中国に来ているのに、その人たちと会わない総理だったら、中国の総理ではありませんよ」(『人権は世界を動かす──上杉佐一郎対談集』解放出版社)

また総理は、あの長征のとき、自分の食糧まで兵士に分け与えてしまった。これは、日中友好の先達のお一人が、総理の護衛兵の回顧談として紹介されたことです。

それによると、総理の一団は、四川省(スーチョワン)の湿地帯を進まねばならなかった。そこを通過するまで、人家もなく、何日も食べるものもない。非常食として「牛肉を煮て乾して、それをほどいたものを一袋」と、「麦を炒って粉にしたものを一袋」持っていった。どこでも、水かお湯に浸せば食べられるものです。

一団は皆、食べられる野草などを見つけながら、しのいだが、そのうち栄養失調になってきた。すると総理は、牛肉をあげなさい、と自分の分をみんなに分けてしまった。

状況はさらに過酷になり、夜は元気だった同志が、翌朝には冷たくなっている、という厳しさだった。総理は護衛兵に、麦焦がしをあげなさいと命じた。

ところが、護衛兵は皆に与えようとしない。「なぜ、やらないんだ」と総理が責めると、護衛兵は「これをやってしまったら、あなたは何を食べるんですか」と抗議した。

総理は護衛兵に近寄って、諭すように言った。「みんながおるから私もあるんだ。一人でも生き残るものが多ければ、それで革命の大義ができるんだ。是非やれ」。護衛兵はやむなく皆に与えたが、数日たって湿地帯を抜け、やっと人里にたどり着いたという。
(伊藤武雄・岡崎嘉平太・松本重治『われらの生涯のなかの中国──六十年の回顧』阪谷芳直・載國煇編、みすず書房。同書の岡崎氏の発言を引用・参照)

これが本当の指導者です。本当の同志愛です。同志の絆は、親子、兄弟よりも尊い。「血のつながり」ではなく、目的を同じくする「正義のつながり」です。これが人間の人間たるゆえんです。

指導者は″皆がいるから自分がいる″のです。自分中心ではなく、だれよりも率先して、目的のために、わが身を捧げていくから指導者なのです。

それが反対に、自分のために民衆を利用する指導者が多すぎる。そういう悪と戦うために創価学会はある。

そういう「民衆の敵」と戦わずして、成仏はない。仏敵という「一凶」と戦わずして、広宣流布はない。「万事を 閣さしお いて謗法を責むべし」と、大聖人は厳しく言われている。