投稿者:河内平野  投稿日:2014年11月28日(金)08時48分1秒    通報
さて、気球や飛行船は、水素など《空気よりも軽い》気体を袋に入れて浮かんだ。
これに対して、《空気よりも重い》飛行機が、どうして空を飛ぶのだろうか。
あるジャンボ・ジェット機は、なんと三五〇トンもあるという。

「浮く飛行船」から、翼をもった「飛ぶ飛行機」への転換――。
二十世紀の初頭(一九〇三年)、皆さま方アメリカのライト兄弟が、
エンジン付き飛行機による《人類初の飛行》に成功した。
以来、この九〇年間で航空技術は急速な発展をみた。

ただ、その基本原理は同じである。つまり、飛行機の重さ以上の「上向きの力」(揚力)が翼に働くからである。
この「上向きの力」が飛行機の重量よりも大きければ、機体は離陸し、上昇できる。
反対に、飛行機の重量よりも小さければ、飛行機は降下する。重量と同じであれば、水平飛行をするわけである。

この飛行機を「持ち上げる力」とは、空気から受ける力であり、その正体は「空気の力」である。
輿や駕籠を人間がかつぎ上げるように、「空気の力」が飛行機を支え、持ち上げている。
空気は人には見えないが、すごい力をもっている。目に見えないものの大切さを忘れてはならない。

なぜ「空気」が味方するかというと、飛行機が前進しているゆえに、翼の周りに、空気の流れができる。
この空気の流れから、翼を持ち上げる力(揚力)が生まれる。エンジンの力で前へ進む。
前へ進むからまた、持ち上げる「空気の力」が働く。その繰り返しで飛ぶ。

(=飛行機が前進すると、翼の上の面には空気の「速い流れ」、下の面には空気の「遅い流れ」が生まれる。
ベルヌーイの定理によって空気の流れの速いほうが遅い方よりも圧力が低くなるから、翼は上へ吸い上げられて揚力が生じる)

だから、飛行機は空気のない《真空状態》では飛べない。
空気は飛行機の前進の《抵抗》にもなる、やっかいなものである。
空気の抵抗と戦いながら、飛行機は飛んでいる。その同じ「空気」が、じつは飛行機を浮かばせ、飛ばす力にもなるのである。

人生も、仏道修行も、何の抵抗もない《真空状態》の中では、楽なように思えるかもしれないが、その実、大空に飛翔することはできない。
空気の《抵抗》のなか、飛行機が前へ前へと飛び続けてこそ、空気も味方し、持ち上げる力となるのである。

前へ、ただ前へ――広宣流布もまた、「勢いある前進」を続けるかぎり、苦難をも上昇の力に変えていける。
「難即安楽」「煩悩即菩提」の「即」とは、何があっても「いよいよ」と奮い立つ強盛なる「信心」をさすといえよう。

 

さて、気球や飛行船は、水素など《空気よりも軽い》気体を袋に入れて浮かんだ。
これに対して、《空気よりも重い》飛行機が、どうして空を飛ぶのだろうか。
あるジャンボ・ジェット機は、なんと三五〇トンもあるという。

「浮く飛行船」から、翼をもった「飛ぶ飛行機」への転換――。
二十世紀の初頭(一九〇三年)、皆さま方アメリカのライト兄弟が、
エンジン付き飛行機による《人類初の飛行》に成功した。
以来、この九〇年間で航空技術は急速な発展をみた。

ただ、その基本原理は同じである。つまり、飛行機の重さ以上の「上向きの力」(揚力)が翼に働くからである。
この「上向きの力」が飛行機の重量よりも大きければ、機体は離陸し、上昇できる。
反対に、飛行機の重量よりも小さければ、飛行機は降下する。重量と同じであれば、水平飛行をするわけである。

この飛行機を「持ち上げる力」とは、空気から受ける力であり、その正体は「空気の力」である。
輿や駕籠を人間がかつぎ上げるように、「空気の力」が飛行機を支え、持ち上げている。
空気は人には見えないが、すごい力をもっている。目に見えないものの大切さを忘れてはならない。

なぜ「空気」が味方するかというと、飛行機が前進しているゆえに、翼の周りに、空気の流れができる。
この空気の流れから、翼を持ち上げる力(揚力)が生まれる。エンジンの力で前へ進む。
前へ進むからまた、持ち上げる「空気の力」が働く。その繰り返しで飛ぶ。

(=飛行機が前進すると、翼の上の面には空気の「速い流れ」、下の面には空気の「遅い流れ」が生まれる。
ベルヌーイの定理によって空気の流れの速いほうが遅い方よりも圧力が低くなるから、翼は上へ吸い上げられて揚力が生じる)

だから、飛行機は空気のない《真空状態》では飛べない。
空気は飛行機の前進の《抵抗》にもなる、やっかいなものである。
空気の抵抗と戦いながら、飛行機は飛んでいる。その同じ「空気」が、じつは飛行機を浮かばせ、飛ばす力にもなるのである。

人生も、仏道修行も、何の抵抗もない《真空状態》の中では、楽なように思えるかもしれないが、その実、大空に飛翔することはできない。
空気の《抵抗》のなか、飛行機が前へ前へと飛び続けてこそ、空気も味方し、持ち上げる力となるのである。

前へ、ただ前へ――広宣流布もまた、「勢いある前進」を続けるかぎり、苦難をも上昇の力に変えていける。
「難即安楽」「煩悩即菩提」の「即」とは、何があっても「いよいよ」と奮い立つ強盛なる「信心」をさすといえよう。

【日米記念合同研修会 平成三年八月七日(大作全集七十八巻)】