創価の師弟①

投稿者:河内平野  投稿日:2014年10月 6日(月)09時15分11秒    通報
私は、現在、小説『人間革命』第十一巻の「裁判」の章を「聖教新聞」に連載している。
きょうの掲載分は、「大阪事件」の無罪判決が下された場面を描いている。
このシーンを、ちょうど関西の地で、愛する関西の同志とともに迎えることができたことを喜びたい。

私は今も鮮明に覚えている。
判決の一年ほど前、旧関西本部の会長室で、数人の弁護士から、厳しい口調で「あなたは有罪です。そのつもりでいてください」と言われた。これが人を守るべき弁護士であろうか――。

私は堂々と言いきった。
「私は絶対に間違ったことはしていない。潔白です。絶対に無罪を勝ち取ってみせる」と。
そのとおりに、私は勝った。
この「裁判」の章は、きたる十月二十一日付の二十六回で終了し、これをもって第十一巻は完結となる。

そして、十一月十八日の「創価学会創立記念日」から、第十二巻の連載を開始したい。
第十二巻は、ふたたび時代を昭和三十二年(一九五七年)八月に戻し、三十三年四月の、恩師戸田先生の御逝去の直後までを書きつづっていく予定である。
この間、お亡くなりになる寸前まで、戸田先生は全魂をかたむけて、後継の青年を育成された。
また、時とともに不滅の光を放つ、九月八日の原水爆禁止宣言、そして闘病――。
さらに、病を押しての「三・一六」の盛儀――。
最後まで燃えさかった恩師の精神の炎と光をつづって『人間革命』を完結させたいと考えている。

私が『人間革命』の執筆を決意したのは、戸田先生の「真実」を、正しく後世に伝えたい、残しておかねばならないとの思いからであった。

戸田先生の弟子と名乗る人は多かった。
また、戸田先生にお世話になり、直接、指導を受けた人も数多くいた。
にもかかわらず、戸田先生の死後、師敵対して、学会に反逆する者も出ている。
それは、戸田先生の「真実」を知る人がきわめて少なかったことを物語っている。

事実と真実――これほど判別のむずかしいものもない。
人間の目に映った「事実」が、必ずしも「真実」を表しているとは限らないからである。
「事実」は、ある意味で、だれにでも見える。
しかし「真実」は、それを見極める目を磨かなくては、決して見抜くことはできない。

【第十三回関西総会、第五回兵庫県総会、常勝の花満開総会、県・区代表幹部会 平成三年十月十六日(全集七十九巻)】