投稿者:赤胴鈴之助 投稿日:2017年 8月22日(火)01時52分54秒   通報
21世紀への選択 政治と宗教の「創造的緊張関係」  P95

池田
ここまで、釈尊の出家の動機などをめぐって対話を進めてまいりましたが、私が

信奉する日蓮仏法について、もう少々述べさせていただきます。

テヘラニアン
ぜひお聞きしたいところです。

信じられないほどの熱意で、平和と人権に貢献される創価学会の思想的基盤を知ること

池田
日蓮(一二二二~八二年)が生まれた時代は、日本の歴史上の大きな転換点でした。

長い間続いてきた天皇、貴族たちによる政治から武家社会へ、大きな内乱と庶民の悲嘆

をともないながら、移り変わろうとしていました。

また、大地震や飢饉、疫病なども頻繁に起こりました。

一方、東アジア地域でモンゴル帝国がその版図を拡大しており、荒廃した日本社会には

緊張と終末観が漂っていたのです。

テヘラニアン
偉大な思想は、常にそのような政治的、道徳的危機の時代に出現するものです。

池田
日蓮は三十九歳のとき、当時の最高権力者に『立正安国論』という警世の書を送りました。

宗教は死後の安心立命ではなく、現実社会の平和建設にこそ貢献すべきである・・・これ

が日蓮の信念でした。

テヘラニアン
会長が前に紹介された大乗仏教の特徴が、日蓮に受け継がれていますね。

つまり、社会と宗教、政治と宗教が、政教分離の原則を守りながら、互いに監視し合

いながら触発し合う理想的な関係が志向されています。

政治と宗教は、理想と現実の「創造的緊張関係」を通してこそ「抑制と均衡」が可能

です。

政治は宗教の理想によって矯正され、宗教は政治の不可避的な流動や混乱、腐敗

に巻き込まれることが避けられるのですから。

池田
「創造的緊張関係」・・・的を射た表現です。

師の戸田先生(創価学会第二代会長)も「青年は、心して政治を監視せよ」と叫びました。

戸田先生は、善人は徹底して大切にし、悪人には厳しかった。

また、青年が嘘をついたりすると、それは厳しかった。

本当の意味で「平和の人」でした。「正義の人」でした。

平和や弱者保護などの宗教的理念から、政治を監視し正しい方向を示すことは、当然

の権利であり、義務です。

それは宗教者としてだけでなく、市民としての当然の義務です。

テヘラニアン
私は、日本における創価学会の運動こそが、宗教と政治の創造的な均衡を成し遂げている、

と思っています。

創価学会は、宗教団体と支持政党を分離することによって、公共の政策に失点がある

場合は支持政党を批判する、独自の権利を保持していますね。

池田
そのとおりです。創価学会の会員は、政治家に対しては、非常に厳しい目をもって

います。

それが戸田第二代会長の遺訓であるからです。

テヘラニアン
その権利を保持するかぎり、創価学会は、ある政策や政党を支持することによって、

創価学会の宗教的理念である平和と公正へ、社会を前進させることもできるでしょう。

いずれにしろ、現実社会のなかでの活動を重視する仏教、なかんずく創価学会のような

社会的実践を重んじる仏教運動と、イスラムには共通点があります。