投稿者:赤胴鈴之助 投稿日:2017年 8月 6日(日)01時48分59秒   通報
21世紀への選択 「寛容と多様性」・・・地球ルネサンスの精神 p55

認識せずして評価するな p58

池田
賢者とは過去を見つめ、未来を洞察する人のことです。博士は賢者です。

その博士とともに、希望の新世紀を築くための方途を語り合えることは私の喜びです。

こうしたテロ事件が象徴しているように、西欧諸国にとってイスラムは、「脅威」と
いうイメージがことさら強いような気がします。

イスラム文化、またムスリム(イスラム教徒)の生活の実像は、欧米諸国ばかりか、日

本でもなかなか報道されません。そのために、偏ったイメージが先行している感がありま
す。

例えば、イスラム法に則った銀行では利子が禁止されていることなどは、イスラム世界

ではごく普通のことなのに、そういうありふれた事実ですら、日本で知る人はほとんどい
ないでしょう。

テヘラニアン
労働せずにお金が増えることを、好ましくないと考えることに由来する慣

習です。イスラムの聖典『コーラン』に、その禁止は明示されています。〔節番号二・二七

六〕(以下、節番号はいわゆる「ブリューゲル版」に則る)

池田
イスラム銀行以外に預けているムスリムでも、利子を放棄し、その分を喜捨や貧し

い人への布施に、と要望する人が多いそうですが。

テヘラニアン
人さまざまですが、いま言われたような人はたしかに多いですね。とはい

え、イスラム銀行のなかには、預金者に出資者になることを許したり、イスラム法によっ

て許された範囲で利子を受けとれるようにしているところもあります。

池田
また”女性が差別されているイスラム社会”というイメージも広まっていますが、

女性の社会進出は盛んで、首相や政府高官や知識人に、かなりの割合で女性がいます。

少なくとも、その比率は日本以上でしょう。

うれしいことに、創価大学にもヒジャーブ(イスラムの女性が顔を覆うのに用いる伝統的

なスカーフ)を着用した女性留学生が学ばれています、彼女も母国での活躍が期待され
ています。

「認識せずし評価するな」これは創価学会の牧口初代会長の見識でした。

ともかく、つくられたイメージから離れ、イスラムの実像に少しでも迫るために、まず

基本的な事実を確認したいと思うのです。

テヘラニアン
大賛成です。

実像を知り、認識を深めことは、情報化が進んだ現代では重要です、高度情報化社会

では、どうしても、出来合いの情報を授動的に受け取ることしかできなくなるからです。