投稿者:大仏のグリグリのとこ 投稿日:2017年 3月11日(土)09時43分7秒   通報
三世間は「五陰世間・衆生世間・国土世間」の三つですが、
世間とは「差別」という意味です。

ただし、ここでいう差別は〝人種・身分〟などの
人間社会において作られた不合理な差別のことをいうのではなく

〝因縁・果報〟によって定まった生命自体の厳しい差別です。

なぜ三世間に因縁や果報の差別があるのかというと
〝十界・十界互具・十如是〟だけでは、まだ生命の一般論を論じただけに過ぎず、

一人ひとりの生命が「どのように〝違う〟のか」が、まだ明確になっていません。

その違いを「主体そのものや環境面」から解き明かしたのが、三世間論なのです。

では、一つ一つ見ていきましょう。

【五陰世間】

五陰世間とは個々の生命体の活動様式を分析したもので
「色・受・想・行・識」の五つです。

この五陰を「色法・心法」に分けると、色法は〝色〟、心法は〝受・想・行・識〟となります。

「色」とは生命活動の前提としての肉体。
「受」とは生命が外界の一切を受け入れて取り込む働き。
「想」とは受け入れたものを認識する働き。
「行」とはその認識に基づいて行動を起こそうとする働き。
「識」とは受・想・行という方程式にしたがって反応を起こす場合、

それらを動かす根本となる意識や知恵です。

一人ひとりの生命にこの五陰の〝違い〟を見ていくのが五陰世間です。

もっと簡単にいうと、人は皆、例外なく

「色・受・想・行・識」の五つの方程式に則って、行動や言動をしているということです。