投稿者:生涯広布 & 広布一筋(正義の師子同盟)メール 投稿日:2016年 7月12日(火)20時49分1秒   通報
・・抜粋転載・・

一切の根幹は、師弟不二で生き抜くことだ。それさえ忘れなければ、恐れるものは何もない。

師弟を軽んじ、断ち切る者とは、断じて永遠に戦わなければならない。

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当時、女子部の班長だった私の妻は、入会時から多田さんを励しま、仲良き同志として進んできた。
御本尊を御安置するときにも、妻が駆けつけて、彼女の部屋で、ともに真剣にお題目を唱えた。
女子部の善き友に囲まれて、多田さんは、生活苦と闘いながらも、明るく活動に励んでいった。

人生の「労苦」の歳月は、信仰によって、生命の「輝き」に変わっていったのである。
戸田先生は、両親を亡くした多田さんを大切に見守っていかれた。そして私に、多田さんを、次代の女性リーダーに育てるよう命じられた。
私と妻は、彼女の成長を祈りながら、どんなときも、陰に陽に支えていった。

本当に苦しんでいる人、病気の人、経済苦の人──そういう人が幸福になり、勝利していくのが、大聖人の仏法である。
その偉大な功力を、わが身で証明していかれた多田さんであった。
彼女は、学会の大恩を、決して忘れなかった。 師弟の道を、最後の最後まで、まっすぐに突き進んでいかれた。

そして、ちょうど8年前の2000年12月、安祥として霊山に旅立たれたのである。
このとき、多田さんは、私と妻にあてて、遺言の手紙を用意されていた。
そこに綴られていた、あまりにも清らかな報恩・感謝の心に、私と妻は、合掌し、追善の祈りを捧げたのである。

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勇気を失うな!何が起ころうとも トルストイ

授与式のスピーチでも触れたが、トルストイは、私が青春時代から愛読してきた世界的な文豪である。
このレフ・トルストイが生まれたのは、1828年8月28日。本年で生誕180周年の佳節を迎えた。
トルストイの代表作として『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』は、とくに有名だ。

また『人生論』『人はなにで生きるか』『光あるうちに光の中を歩め』なども、多くの人に愛読されてきた。
ロシアで発刊されているトルストイの全集は90巻。数多くの小説をはじめ平和論、教育論、宗教論など膨大な量の作品を残した。
その根底には、巨大な国家悪にも屈しない、強き人間愛がみなぎっており、今なお全世界の精神の宝として輝いている。
「万歳」の大歓声

それは、約100年前の1909年9月のことである。
モスクワを訪れていたトルストイは、再び故郷のヤースナヤ・ポリャーナヘ戻ることになった。
そして、トルストイが駅から故郷へと出発する日──。

この知らせを聞きつけた幾万もの民衆が、トルストイが出発する駅に、続々と集まってきたのである。
当時、トルストイは81歳。暴力が吹き荒れた時代に、「殺すなかれ」と繰り返し叫んだ。人類の良心の柱であった。
彼が駅前に姿を見せると、人々の間から「トルストイに栄光あれ! 偉大なる闘士万歳!」との大歓声が、わき起こった。

民衆の歓呼が響き渡る中、トルストイは列車へと向かった。
「ありがとう! みなさんのご厚意に感謝いたします!」
「本当にありがとう!」 列車の中から、トルストイはこう叫んだ。 この言葉に応えて、人々から再び歓声が上がった。

「ありがとうございます!」「万歳! 栄光あれ!」
やがて、列車が動き出した。人々もまた、列車の後を追いすがった。
列車は速度を増していく。しかし、それでもなお「万歳!」を叫びながら、列車を追いかけて、走り続ける人々がいたという。

トルストイは権力からは疎まれ、迫害された。しかし、世界の民衆からは絶大な支持を得た。

民衆からの敬愛と信頼。これに勝る人生の勝利と栄光はない。

どこまでも民衆とともに──私もまた、この信念で進んできた。

学会は、強き精神の絆で結ばれた庶民の団体である。だから強い。いかなる迫害の嵐が吹いても、絶対に倒れないのである。

トルストイ 精神の成長に真の幸福がある 青年よ良書に学べ! 自ら労苦を求め戦え
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傲慢から堕落が

さらに、トルストイの言葉を紹介したい。
きょうのような会合もまた、勉強の場だ。人生の向上の場である。そういう思いから
私は皆さんに、さまざまな箴言を贈っているのである。

トルストイは綴っている。
「私を信仰に導いたのは生の意義の探求だった。 すなわち、人生の正路の探求、いかに生くべきかの探求だった」
(ピリューコフ著・原久一郎訳『大トルストイ』勁草書房)
トルストイは生涯をかけて、人生の正しき道を探求し続けた。

正しき人生を、どう生きるか──その間いに回答を与えるのが真実の信仰である。

また、彼は、こうも述べている。

「信仰は、いやしくもそれが信仰である限り、その本質からいって、権力の下に服従することはあり得ない」(同)

文豪の偉大な信念であり、普遍の哲学といえよう。 真の信仰者は、どんな権力からの弾圧にも絶対に屈しない。

偉大な精神の力は、いかなる権力にも勝るのである。
また、トルストイは綴っている。

「虚栄心の満足ほどむなしいものはまたとはない」(小沼文彦編訳『ことばの日めくり』女子パウロ会)

「労苦のないということは、悪である」(原久一郎訳『トルストイ全集第22巻』岩波書店、現代表記に改めた)

苦労をしなければ、人間は鍛えられない。また、本当に苦労をして戦ってこそ、真実の喜びや満足が得られるのである。
このことは、戸田先生も語っておられた。

またトルストイは、傲慢な人間は欺かれやすいと述べ、「傲慢な者は馬鹿だ」 (小西増太郎訳『生きる道』桃山書林)と記している。
その通りと思う。

「私は偉いのだ」などと傲り高ぶるところから、堕落が始まる。

どこまでも謙虚に、どこまでも誠実に、友のため、広布のために尽くしていく。それが真実の学会のリーダーである。
「たとえどんなことが起ころうとも、勇気を失ってはならない」(前掲『ことばの日めくり』) これもトルストイの言葉だ。

我らもまた不屈の「勇気」を胸に、あらゆる困難を打ち破っていきたい。
続く
生涯広布ペンギン