投稿者:無冠 投稿日:2016年 7月16日(土)13時37分49秒 通報
全集未収録のスピーチ144編の各抜粋(聖教新聞 2006.5~2010.4)を掲示します。
2006-7-20【第62回 本部幹部会 関西総会 青年部総会】
●求道の友を歓迎
一、遠い国からはるばる、たった一人か二人で、やって来られた方もいる。皆さん、ここに来るまでに、どれほどの苦労があったか。どれほどの努力があったか。
大勢の同志に囲まれて、めぐまれた環境で戦っている日本に比べれば、じつに大変なことである。
そうしたすべてを見つめて、海外の友を最大限に歓迎し、包容していく。それが仏法である。そこに人間の真髄がある。これが創価学会なのである。
意気軒高(けんこう)な皆さんに会えて、本当にうれしい。
創価学会の息吹、学会精神にあふれている。この勢いがあったから、学会は世界的になり、日本一になったのだ(大拍手)。
●人生の真髄は師弟にあり 『船長も船員だ』
一、さらに、スワヒリ語のことわざにいわく。
「船長だからといって、船員であることを忘れるな」(同)
同じ集まりに属していながら、自分だけは特別だなどと思うな ── そういうことである。
学会は、どこまでも異体同心であり、全員が平等な同志である。そして、その根本には、師弟の精神がある。
初代、2代、3代によって、学会は、未来永遠の発展の基礎が築かれた。
真の師弟の精神がある限り、学会は将来にわたって勝ち栄えていく。
一、デンマークの大哲学者キルケゴールは、次のような問いを投げかけている。
── ある師匠と弟子たちがいる。攻撃の矢はもっぱら恐れを知らぬ師匠にのみ向けられ、彼に従う弟子は狙われることさえなかったとする。
その場合、「この弟子たちは師のあとに従っていると言えるだろうか」(岩永達郎訳「さまざまの精神における建徳的講話3」、『キルケゴールの講話・遺稿集4』新地書房所収)。
まことに厳しい問いかけである。
少しも難を受けないで、本当に師に従っていると言えるのか。
牧口先生、戸田先生が、学会の後を継ぎゆく指導者に教えてこられた精神にも通ずる。
●40年前の誓い
一、思えば、40年前、御聖訓の通り、「悪口罵詈(あっくめり)」のなか、必死に戦ってきたブラジル婦人部の皆さまに、私は厳然と申し上げた。
「時代を変える本当の原動力は、何か。
それは、女性の祈りであり、生活に根ざした女性の活動以外の何ものでもない。
女性の力は、大地の力である。大地が動けば、すべては変わる。動く。
権威の城など、簡単に崩れ、不動のように見えた山でさえも動かせるものである」
この私の大確信の通りに、ブラジルの女性たちは、祈り抜き、戦いきって、立派な、晴れ晴れとした女性の時代をつくってくれた。
ブラジル、ありがとう! (大拍手)
●政治を監視せよ
一、私も親しく会見した統一ドイツのヴァイツゼッカー初代大統領が、かつて、日本の市民や学生に、このように呼びかけたことがある。
「国の政治を政治家や古い制度に任せず、若者が積極的にかかわっていくことが大切だ」「そして、武力ではなく、平和を望む心で未来を切り開いていってほしい」(「毎日新聞」1999年5月7日付朝刊)
戸田先生は、私たち青年に、「心して政治を監視せよ!」と叫ばれた。
青年こそ時代を動かす力である。今再び、私は、青年よ、心して政治の魔性を監視せよと訴えたい。
また、ヴァイツゼッカー大統領は、ある時、こう述べておられる。
「政治は精神に近づく道を求めるべきである。精神の領域からの批判的な声を嫌ってはならない。それに学ぶことを心得ているべきなのである」(加藤常昭訳『ヴァイツゼノカーのことば』日本基督教団出版局)
その通りであろう。反対に、人間の精神の声、良心の声を聞かなくなった政治がどうなるか。
大統領は、私との会見で、他者に対し、世界に対し、“開かれた心”を持つことの大切さにふれ、こう語られた。
「強大な権力による政治に戻ってはなりません」「日本とドイツは、ともに『閉じた社会』がいかに危険であるかという苦い経験をもっています」と。深くかみしめたい哲人大統領の言葉である。
●嘘つきは必ず行き詰まる
一、世界の英知の箴言(しんげん)を皆さんに贈りたい。
20世紀のブラジルの詩人カルロス・ドルモンは言った。
「困難は、“人格”を建設する時の鉄骨である」
困難と戦うからこそ、“人格の背骨”が鍛えられるのである。
また、スワヒリ語のことわざに、こうある。
「嘘つきの道は短い」(『世界ことわざ大事典』大修館書店)
嘘をついても、すぐに行き詰まってしまう。嘘は、絶対に、真実には勝てないのである。
■ 一、きょうは長時間、本当にありがとうございました!
海外からお越しくださった皆さま方、ご苦労さまでした。お会いできなかった皆さまに、くれぐれもよろしくお伝えください。
これから暑くなりますが、ともどもに健康に留意して、有意義な夏を過ごしてまいりましょう。お元気で!またお会いしましょう!(大拍手)